KPMGコンサルティングは、複合現実(MR)と人工知能(AI)を活用した「物品分類方法及びプログラム」を開発し、特許を取得した。
このプログラムは、分類対象である物品の画像データと全ての物品の3D CAD(3次元コンピュータ支援設計)データを比較し、それぞれの評価値を基に類似度が一番高い物品リストを出すアルゴリズム。また、作業現場でノイズを抑えた画像データの撮影を可能にする装置などを含む。
(出典:KPMGコンサルティング)
例えば、作業現場において設置済みの部品と新しい部品を交換する場合、従来はどの部品と交換すべきかを紙ベースのマニュアルを見ながら判断することがほとんどだった。しかし種類が数万種あるほか、部品が類似しているものが多かったり、製造番号や記号が塗装や劣化により読み取れなかったりして、該当する部品を探すまで時間を要するケースが珍しくない。同プログラムを活用することで、対象となる物品と類似度が高い物品リストを提示でき、選定の時間を大幅に短縮することが可能になるという。
同社では、このプログラムを基にモバイル、スマートグラス、タブレットなどのデバイスとAIを組み合わせたサービス「Holoman(Holographic Manufacturing)」を開発し、製造現場における業務改革を支援している。
このサービスは、製造現場において作業者がマニュアルで行っている部品の識別や、熟練者の判断による生産品の品質管理などを画像認識AIとMRの表示で効率化するという。また、業務プロセスに慣れていない社員のOJT(On-the-Job Training)トレーニングに用いることで、指導にかかる時間を短縮できるとしている。