DataRobotは4月23日、機械学習の自動化プラットフォームの最新版「DataRobot v6.0」の国内提供を開始した。画像を用いた機械学習を簡素化・自動化する「Visual AI」のほか、機械学習モデルの学習や予測のためのデータ準備機能「DataRobot Paxata」や機械学習モデルを利用したアプリケーション作成の自動化機能「AIアプリケーション」なども追加された。
Visual AIは、画像を用いたモデルの作成、解釈、利用を簡素化・自動化することで、ディープラーニング(深層学習)に必要なスキルやリソースを持たない組織でも画像を用いたモデリングを迅速化できる。機械学習に用いたい画像ファイルをドラッグ&ドロップ操作でDataRobotに渡すだけで、数値、カテゴリ、日付、テキストといったデータとともに画像を活用したモデリングが開始される。Visual AIは画像に対して「人工知能の説明性」も提供するため、画像とモデルの予測結果との関連性を理解した上でモデルを利用できるとしている。
DataRobot Paxataは、機械学習モデルの学習や予測のために必要なデータの探索、整理、結合、成形することを可能にするデータ準備機能。2019年12月に買収したPaxataのデータ準備機能を、DataRobotのAIカタログや予測機能と統合した。これにより、DataRobot Paxataで準備したデータを速やかにAI開発・利用プロセスに連携できるようになった。
AIアプリケーションは、機械学習モデルを利用したアプリケーションの作成を自動化することで、最終的に意思決定を行うユーザーに対して使いやすいAI利用のインターフェースを提供する。データサイエンスになじみのないビジネスユーザーであっても予測モデルを用いた予測値の取得や予測結果の比較、逆問題による予測値の最適化などを実行でき、ビジネスの意思決定に役立てられる。アプリケーションの作成は自動化されているため、個別に行うモデルのインテグレーションは不要になる。
また、今回のリリースでは、事前構成済みのモデル実行環境が追加された。ユーザーはPythonやRなどの言語で開発されたモデルファイルを、ドラッグ&ドロップ操作でデプロイできるようになった。デプロイされたモデルからメトリックを取得できるリモート監視エージェントにより、DataRobot内にデプロイしたかどうかを問わずモデルの監視を一元化することも可能。
そのほか、新たなKerasベースのモデルフレームワークによるディープラーニング機能の強化、Automated Time Seriesへの新しいディープラーニング技術の導入といった変更も加えられている。