新型コロナウイルスの影響でテレワークや自宅待機になった人も多くいるだろう。こういった時だからこそ、新たなスキルを身につけるために、いろいろなコトに挑戦してほしい。そこで、2019年11月に日本国内で発売された「Raspberry Pi 4 Model B」(以下ラズパイ4)を紹介する。
Raspberry Piは、英国のRaspberry Pi財団が開発したシングルボードコンピュータだ。最初の製品として2012年に発売された「Raspberry Pi 1」は、低価格でありながら様々な用途に使えるコンピュータということで、大ヒットした。特に、IoT関連のビジネスが増えてくるにつれて、IoT用のコンピュータとして使われたり、システムのソフトウェア開発ベースとして利用されたりしている。
ラズパイ4は、クレジットカードサイズ大のボードコンピュータ(Raspberry Pi財団のウェブサイトより)
ラズパイ4は、Micro HDMI出力、オーディオ出力、USB2、USB3、有線ギガビットイーサネット、Wi-Fiなどがまとまったボードコンピュータだ。
Raspberry Piの最大の特徴は、HAT(Hardware Attached on Top)と呼ばれる拡張カードが販売されていることだ。Raspberry Pi財団は、Raspberry Pi HATの仕様を公開しているため、この仕様ベースにさまざまな拡張カードが作られている。例えば、液晶ディスプレーがあったり、高機能なデジタルオーディオカードがあったりする。また、CCDカメラ、温度・湿度センサーなども発売されている。最近では、Raspberry Piをコンピューターとして、多様なHATを接続したロボットカーキットなども発売されている。
ラズパイをコントロール用のコンピュータとして搭載するロボットカーなども発売されている(OSOYOOのウェブサイトより)。
ラズパイ4は、2019年6月に英国で発売されたが、本体にWi-FiやBluetoothなどの無線機能を搭載しているため、日本の技適マークを取得するのに時間がかかり2019年11月の発売となった。
ラズパイ4は、以前のラズパイ3に比べるとプロセッサーが大幅に性能アップしている。プロセッサーには、「Broadcom BCM2711」(1.5GHz)を使用している。Broadcom BCM7211は、「Arm Cortex-A72」(ARM v8)の4コアとなっている。また、64ビットプロセッサーとなっているため、64ビットOSでは高いパフォーマンスを示す。
さらに、1Gbpsの有線イーサネット、IEEE802.11 acのWi-Fi、Bluetooth 5、USB3.0×2、USB2.0×2などを搭載している。特に1Gbpsのイーサネット、USB3.0の採用は、多くのユーザーがリクエストしていた機能だ(ラズパイ3でも、1Gbpsのイーサネットが用意されていたが、USB2.0経由だったため、1Gbpsの性能は出なかった)。また、メインメモリも4GBにまで拡張されている(1GB、2GBのモデルも用意されているが、日本国内では2GBと4GBが中心)。