日本オラクルは5月19日、「Moving the Needle: Data Management for the Multi-Hybrid Age of IT(劇的な変化:マルチ/ハイブリッド時代のITにおけるデータマネジメント)」の調査結果を発表した。
この調査は、アジア太平洋と欧州中近東市場の企業を対象にデータマネジメント戦略の状況を把握するために実施された。調査はデータインフラとデータ戦略を担当するテクノロジー/ビジネス部門の意思決定者670人を対象にオンラインで実施された。またデータマネジメントへのアプローチ、推進要因、ベストプラクティスを深く考察するために、回答者のうちの10人の役員従事者に聞き取りを行っている。
これによると、日本を含む調査対象者のうち82%が適切なデータマネジメント戦略への投資が優れたビジネス成果につながると認識しているものの、73%はばらばらでサイロ化されたデータ戦略となっており、ビジネスのステークスホルダーが必要とするデータを提供できていないと認めているという。
また回答者の64%がマルチ/ハイブリッドインフラ管理の課題に取り組んでいることが明らかになっており、70%の組織がITプロセスの簡素化を優先事項と考えていることも明らかになった。さらに回答者の10人中6人が、マルチクラウド戦略の推進要因として「特定のテクノロジーや機能の利用」と答えている。
データマネジメントのロードマップに沿って進めていく上で、83%の企業がデータセキュリティ要件は優先度が高い、もしくは最重要と回答しているが、回答者の半数は確実なデータ保護やセキュリティ規制への準拠が十分にはできていないと答えているという。
その他の結果では、データの36%は現在もオンプレミスでホストされ、19%がパブリッククラウド、18%がプライベートクラウドでホストされている。これらの企業で収集されるデータの性質は31%が表形式/構造化データで、残りは非表形式/半構造化または非構造化データとなっており、後者の18%はテキストデータで、残りは画像/ビデオ、機械生成データ、ストリーミングデータなどに均等に分散しているという。さらにデータ戦略の成熟度では公共機関と小売業が低く、公共機関と医療機関の34%ではデータ戦略が不完全だという結果となった。
日本オラクルでは、柔軟性を備えたセキュリティ基盤に加え、今後はハイブリッド環境をまたがってエンドツーエンドの可視化ができる統一されたデータプラットフォームを提供するテクノロジーパートナーに注目すべきだと指摘している。
さらに、日本・アジア太平洋地域の企業はデータセキュリティおよびガバナンス要件の対応に積極的だが、今回の調査ではこれらの領域に重点を置き過ぎるあまり、独自機能の利用を提供したり多様化をサポートしたりするなど、今すぐに必要なマルチ/ハイブリッドクラウドのメリットの一部を実現できていない可能性があることも明らかになったとしている。
そして、欧州の3分の2以上の企業がマルチ/ハイブリッドクラウド環境下でのデータマネジメントに注力しているのに対し、日本・アジア太平洋地域では3分の1に過ぎないとし、マルチ/ハイブリッドクラウド環境をどのように有効利用するかについて早急に理解しなければ、取り残されてしまうリスクがあるとした。