Oracleは予算管理ソフトウェア「Oracle Planning Cloud」の既存ユーザーに対し、「Strategic Modeling」を含む「Oracle Financial Statement Planning」を無償提供している。期間は、5月13日~2021年4月30日。
Oracle Financial Statement Planningでは、支払いの遅延、在庫の変動、供給の停止といった想定されるビジネス上の課題に応じて、詳細なシナリオ分析を可能にするという。また収益・キャッシュフローの予測、資本構成シナリオ・モデリングの精度を高めるとともに、銀行の財務制限条項や資金調達のコンプライアンス、信用格付けの計算を支援する。
こうした機能によりユーザーは、起こり得るさまざまな結果を検証し、その結果に対する対応を計画できるようになり、結果としてビジネスにおける俊敏性を向上させ、ネガティブな影響を軽減することが可能になるとしている。
また、同社の組み込み型ゴールシークにより定期的なチェックを行い、効果的なコスト管理とキャッシュ最適化のために変更が必要なオペレーション変数を特定することが期待される。
さらに、多様なレポート形式を用いたリアルタイム分析とレポート配布が可能となり、ウェブブラウザとMicrosoft Officeのインターフェース「SmartView for Microsoft Office」を使用して、レポートの作成・分析を行うことができるという。
Oracleはシナリオプランニングの例として「新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、実店舗の来店者が大幅に減少した小売店」を挙げる。そして多くの小売店は現在、オンラインと実店舗における収益構成のシフトを予測するとともに、実店舗の段階的な再開を考慮するべきだと指摘。また、高級品よりも定番商品の収益比率が拡大していることから、消費者支出の変化を考慮する必要があるとしている。
同社はこうした例のほか、あらゆる業界がさまざまな形で影響を受けているとし、教育ツールを追加で提供して財務部門を支援するという。そして、顧客企業がこれらの無料機能を容易に構成して活用できるよう、オンラインチュートリアルや段階的ガイドを提供していく。