施策を成果に結びつけるために
せっかくの施策もメンバーの積極的参加なしには絵に描いた餅となります。また、広範囲な業務フローに手を加えていくと成果を出すまでに数カ月以上もかかってしまうでしょう。このため、まずはわかりやすく着手しやすい部分から小さく始め、大きく広げていくことが肝心です。メンバーの積極的参加を促すため、簡単なリモート環境または時間差があっても参加しやすい雰囲気のコラボレーションの場を準備すると良いでしょう。
たとえば“3密”にならないよう工夫の上、ホワイトボードに付箋などを張りながら意見を出し合う方法があります。Dropboxではこのような意思決定のインフラとして、「Dropbox Paper」を活用しています。参加者全員が同時に書き込みでき、付箋を貼る感覚でコメントを追記することができる、いわばオンライン上のホワイトボードです。

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Dropbox Paperが頻繁に使われる理由は、施策が長続きするための工夫でもあります。図表を使うプレゼンテーションのスライドは読みやすいと感じることが多いのですが、言葉足らずになり誤解が生じるケースも少なくありません。図表の準備は更新のための敷居も上げ、最新状況の頻繁な適応が難しくなり、半年もしないうちに形骸化してしまいます。
施策から成果が生まれることで、施策を継続する動機付けとなり、結果的に組織が環境変化に柔軟に対応できる好循環が生まれます。新型コロナウイルスによる脅威はまだまだ長引く様子を見せておりますが、さまざまな取り組みでこの危機を乗り越えていけるはずです。

- 岡崎 隆之
- Dropbox Japan テクニカルアーキテクト
- サン・マイクロシステムズ、ACCESS、グリーを経てエンタープライズ分野からコンシューマー分野に渡る様々な分野でのエンジニアリングに従事。開発生産性や、チーム間の共同作業について様々な施策を実施し生産性向上に貢献。2015年からDropboxカスタマーサクセスチームに所属し、お客様の生産性向上に貢献している。