Ubieは人工知能(AI)問診システム「AI問診Ubie」に、NTT東日本とNTT西日本が提供するIPv6(Internet Protocol Version 6)閉域網サービス「フレッツ・VPN プライオ」を利用した閉域VPN(Virtual Private Network)プランを追加した。
AI問診Ubieは、医療現場の生産性を向上するシステムとして200を超える医療機関に提供されている。同サービスでは従来、医師や看護師などの医療従事者が患者に問診し、電子カルテに手作業で転記していた内容を、患者自身がタブレットへ入力することでカルテ入力を効率化。加えて、診察前に約5万件の論文データベースからAIが参考病名リストを表示することで、医師業務を支援する。
Ubieは5月11日、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、AI問診Ubieに「COVID-19トリアージ」支援システムを拡張。スマートフォンを用いた自宅での事前問診や専用タブレットを活用した来院直後の問診、アラート機能による院内でのトリアージ(傷病者の緊急度に応じて、搬送や治療の優先順位を決めること)実施で、新型コロナウイルス感染症が疑われる患者との濃厚接触を低減し、院内感染の抑止を支援する。
今回のプラン追加は、個人情報保護やプライバシー保護の観点から、医療機関がセキュリティの高い接続形態を求めたことによるという。
フレッツ・VPN プライオは、IPv6を活用した閉域網のVPNサービス。特に、安全かつ安定した環境が求められる重要データの送信時に活用されている。IPv6アドレスを用いたダイレクトな通信を実現することで、低遅延で安定した通信が可能になるという。
サービス提供スキーム(出典:Ubie、NTT東日本、NTT西日本)
またNTT東日本とNTT西日本は、フレッツ・VPN プライオのほか、クラウドゲートウェイクロスコネクト(東日本エリア)と、クラウドクロスコネクト(西日本エリア)を提供する。
クラウドゲートウェイクロスコネクトは、NTT東日本が提供するフレッツ・VPNサービスからクラウドサービスとNTT東日本のデータセンターへの接続を可能にする定額制のネットワークサービス。さまざまなクラウドサービスとフレッツ・VPNサービスを接続して、システムを安全に構築できるとしている。
クラウドクロスコネクトは、NTT西日本のグループ会社であるエヌ・ティ・ティ・スマートコネクトが提供するサービス。主要なクラウドサービスとユーザーのネットワークを接続するサービスとして、インターネットを介さない安全な環境でクラウドサービスを利用できるという。