カナダのD-Wave SystemsとNECは6月18日、量子コンピューティング領域での協業を発表した。共同で製品開発やマーケティング、販売活動を行う。
この協業により、NECはD-Waveに1000万ドル規模の投資を行うという。NECのスーパーコンピューターなどと量子コンピューターを組み合わせて利用するハイブリッド型の技術を開発し、より大規模な組み合わせ最適化問題を高速に解くサービスの実現を目指す。開発するサービスは、D-WaveのLeap量子クラウドサービスに組み入れて両社の顧客に提供する。
また、共同開発するハイブリッドサービスを活用して、輸送、材料科学、人工知能(AI)などの分野で実用的な量子アプリケーションも開発する。NECが想定する金融や製造・流通など6市場に対して、D-Waveの200以上の顧客事例を適用し、顧客に最適なソリューションを提供していくほか、上述のように、Leap量子クラウドサービスにNECのスーパーコンピューターを組み込み利用可能とすることを検討するという。
量子コンピューターの活用促進に向けたマーケティングや販売活動も共同で展開し、量子コンピューティングの日本企業への導入促進を図る。NECは、D-Waveが2020年秋に開催するバーチャルイベント「Qubits」で基調講演する予定となっている。