エネルギー可視化サービス、機器などを販売するNTTスマイルエナジー(大阪市中央区、従業員数102人)は、新型コロナウイルス感染症対策として全社規模のテレワーク環境を構築。「Amazon Web Services(AWS)」を活用して3週間ほどで構築したという。7月9日、サーバーワークス(新宿区)が発表した。
従来からエンジニア、営業担当などの一部でテレワークを実施。新型コロナウイルス感染症対策による外出自粛要請に伴い、実施できない従業員の存在が課題になったという。セキュリティの担保と、社内システムの多くで稼働するAWSとの親和性を考慮して検討したとしている。
従来、自社データセンター内の仮想閉域網(VPN)サーバーを経由して社内システムに接続していたVPN環境は、追加する手間とコストを考慮して仮想占有サービス「Amazon Virtual Private Cloud(VPC)」にクライアント端末から接続できる「AWS Client VPN」に切り替え。クライアント端末にデータを残さない仮想デスクトップ基盤(VDI)サービス「Amazon WorkSpaces」と併せて導入したという。
3月中旬から本格的な構築に着手。どの場合にClient VPN、WorkSpacesを活用するかの整理と検証を並行しつつ、それぞれ2週間、合わせて3週間程で構築したという。サーバーワークスのブログ情報などを参考に外部の手を借りず、4月上旬から全社テレワーク体制に移行できたとしている。
「Amazon Connect」でコールセンターもテレワークに移行
10人ほどのオペレーターが従事するコールセンター業務では、2019年6月からクラウド型コールセンターサービス「Amazon Connect」を活用。
物理回線の電話より音声品質が劣る可能性を考慮してノイズキャンセル機能が優秀なヘッドセットを選択していたため、生活音が入り込まない電話対応につながっているという。従来同様の電話対応がテレワークで実施できているとしている。
自動音声応答システムの導入を検討していた同社では、コストと手間の観点からクラウドサービスを検討。2018年頃からAmazon Connectの導入を検討、サーバーワークスの支援を受け、2019年1月から概念実証(PoC)を実施したという。
ソフトフォンのためPC上で架電でき、電話番号の押し間違えなどの人的ミスを削減。機能、運用面などから本番導入したという。全ての通話ログを自動的に記録、音声データも録音可能で、問い合わせ対応の品質向上に活用できると説明している。
※クリックすると拡大画像が見られます