AWS、コンタクトセンター分析に機械学習を活用する「Contact Lens for Amazon Connect」をGAに

Stephanie Condon (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2020-07-27 11:48

  Amazon Web Services(AWS)は米国時間7月23日、「Contact Lens for Amazon Connect」の一般提供(GA)を開始したと発表した。Contact Lensは、コンタクトセンターにかかってきた電話の内容を文字に書き起こしたり、各種の分析を実行する、機械学習(ML)を活用した機能一式で、フルマネージド型のクラウドコンタクトセンターサービス「Amazon Connect」の一部だ。

 Contact Lensによりコールセンターの管理者は、顧客のセンチメントのほか、通話のなかで明らかになってくるトレンドや、コンプライアンス関連の問題を把握できるようになる。またユーザーは、特定の話題に基づく通話(顧客が返品を希望する場合など)や、顧客のセンチメント(否定的な顧客センチメントスコアとなった場合など)、通話の性質(長い沈黙があったり、顧客と担当者が議論になった場合など)を容易に検索できる。

 検索結果を取得した後、管理者は文字への書き起こしとともに、通話の性質をビジュアルなかたちで確認できる。Contact Lensは自然言語処理(NLP)技術を用いることで、ショップのウェブサイト上で誤ったラベル付けがなされている商品に関する連絡が数多くなされているかどうかといった、新たな懸念すべてを明らかにできる。

 また、このサービスはMLを用いて、通話の記録や文字への書き起こしから、名前や住所といった、個人を特定できるようなデリケートな情報の検出と除去を自動的に行う。

 さらにContact Lensは2020年中に、通話中に出てきた懸念をすぐさま管理者に通知できるようになる。

 これまでにIntuit、Accolade、DH Enterpriseなどの企業がContact Lens for Amazon Connectを利用している。

 コンタクトセンター業務は、企業におけるMLとNLPの明確なユースケースとなっている。顧客との会話は、企業がビジネスを改善できるようにする明確なインサイトを提供可能だが、大量の通話やトランスクリプトによって、情報を活用することが難しくなっている場合がある。

 Amazonは2019年の「AWS re:Invent」でContact Lensを発表した。Amazon Connectはクラウド事業の最も成長の早いサービスの1つだとAWSの最高経営責任者(CEO)Andy Jassy氏は述べていた。Amazon Connectは2017年に発表されている。

 Googleは2019年に「Contact Center AI」の一般提供を開始している。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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