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顧客志向で切り拓くCOVID-19時代の変革ジャーニー

AWS・PwC対談--Amazonはなぜ連続的なイノベーションが実現できるのか?

亀田治伸,中山裕之,武藤隆是 (AWS/PwCコンサルティング)

2020-08-17 07:00

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による不確実性が一層高まる状況下において、成功を収める企業の条件とは何だろうか。今回からは、PwC Japanグループのアライアンスパートナーとの対談を通じて解き明かしてみたい。まずは、継続的な成長、イノベーションを続けるAmazonを支えているアマゾン ウェブ サービス(AWS)を考察する。デジタルトランスフォーメーション(DX)推進に課題を持つ日本企業にとって学びがあると幸いだ。AWSジャパン シニアアドボケイトの亀田治伸氏を招き、PwCの中山裕之氏と武藤隆是氏(以下敬称略)が顧客志向の変革について議論する。

AmazonのCulture Innovation

中山:AWSは継続的な成長を遂げていますね。

亀田:2020年第1四半期の決算は、初めて四半期の売上高が100億ドル(約1兆700億円)を超え、前年比33%の成長でした。Amazon全体では、2020年第1四半期の売上高が約8兆円を超え、年率26%成長です。 日本でも数十万社のお客さまにAWSを利用いただき、オンプレミスの大規模移行からビッグデータ、IoT、AI(人工知能)・機械学習まで幅広く使われています。最近では、仮想デスクトップサービスやクラウド型コンタクトセンターなど、リモートワークをサポートするサービスの活用が急激に増えてきています。

中山:AWS単体でいまだに年率30%以上の成長は驚異的ですね。この規模になってさらに加速しているように見えます。世間ではいまだに「クラウドはITインフラ、コスト削減のツール」という声も聞かれます。AmazonがAWSを効果的に活用しているように、単にクラウドを使うのではなく、使いこなすことがDXへの近道と考えています。

 PwCはクラウドの黎明期から可能性に着目し、アシュアランスチームでは省庁や関連団体とクラウドサービスの安全性に関して検討を重ねたほか、PwCのグローバルネットワークと連携して海外の先進的な知見を取り入れるなど、日本におけるクラウドの普及に取り組んできました。

 さて、AWSが成長している要因にDX成功のヒントがありそうですが、亀田さんは、どこにあるとお考えですか。そこにDX成功のヒントがあるのではと推察しています。

亀田:“お客さまの声へ真剣に耳を傾け、高速にその声に対応してきた”ことに尽きるのではないかと思います。いまだにAWSの新サービスや新機能の約90%以上は、お客さまの要望に基づいて開発されています。

武藤:Amazonにおける顧客志向はどのあたりが特徴的なのでしょうか。

亀田:AWSを含めたAmazonでは、「地球上で最もお客さまを大切にする企業であること」をミッションとして、全社員に顧客志向が徹底されていますね。われわれは「Customer Obsession(カスタマーオブセッション)」 という言い方をしますが、お客さまを中心に全ての物事を設計していこう、ということが基本理念です。

 世の中のお客さまは、人間の本質ですが、現状にすぐ慣れてしまい、現状にはすぐ満足しなくなってしまう特性を持っています。そういった特性を踏まえ、われわれは社内で打ち合せを繰り返し、サービスロードマップを策定するよりも、世の中のお客さまとの対話により多くの時間を割いて、お客さま自身がどういったものを求めているかを特定することに時間を多く割いた方が、より良いサービスができると常に考えています。お客さまの要望を直接的に具体案としていただけるケースもあれば、「もう少し何かいいものができるはず……」というケースもあります。であれば、お客さまとの対話からご要望の内容を“言語化”し事業化していくのがAmazonの道と考えています。現在では175以上のサービスを提供していますが、9割以上は実際のお客さまからいただいた要望をもとに開発されているのです。

図表1:AWSにおける最近の先進機能
図表1:AWSにおける最近の先進機能

 例えば、CEO(最高経営責任者)のAndy JassyやCTO(最高技術責任者)のWerner Vogelsは、時間の多くをお客さま企業のエンジニアとの対話に割くようにしています。多くのフィードバックを実際のお客さまの声として理解し、それをサービス開発につなげています。

 また、社内では「競合を見るな、顧客を見ろ」とよく言われ、私もそれが徹底されているなと思います。ほかにも、「社内のカニバリゼーションみたいなのも一切気にするな」とも言われますね。

中山:お客さまのためなら、既存ビジネスへの影響は関係なく、あくまでお客さまが必要としているのかが唯一の判断基準、という考え方ですね。

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