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マイクロソフト、3つの基軸で中堅中小企業を支援する取り組みを説明

阿久津良和

2020-09-14 06:00

 日本マイクロソフトは9月11日、コロナ禍における中堅中小企業のデジタル技術活用事例を紹介するプレスラウンドテーブルを開催した。執行役員 コーポレートソリューション事業本部長の三上智子氏は、「喫緊の状況に対処し原状回復に向けて足場を固めて、ニューノーマル(新常態)を形成することで、新しい形が生まれていく。われわれは『Remote Everything(より多くのコトをリモートに)』『Automate Everywhere(全てのコトを自動化で)』『Simulate Anything(あらゆるコトに道しるべを)』の3つの基軸で支援を進める」と今後の方針を明示した。

日本マイクロソフト 執行役員 コーポレートソリューション事業本部長の三上智子氏
日本マイクロソフト 執行役員 コーポレートソリューション事業本部長の三上智子氏

 同社が紹介した事例の中で独立系システムインテグレーターのクレスコは、当初2020年4月に働き方改革の対応を軸に在宅勤務制度を開始する予定だった。だが、今回のコロナ禍に伴って3月に在宅勤務を開始した。Microsoft Teamsを中心に約1300人の従業員の8割がリモートワークに移行し、取引先にもリモート環境の整備を提案している。

 クレスコ サービスコンピテンシー統括本部 テクノロジーサービスユニット 先端技術事業部長の髙津聡氏は、取り組みについて「実際はインフラストラクチャー面の苦労もあったが、システムはDX推進室を中心に移行できた」と説明する。同社ではMicrosoft Teams上に企業文化の変革を目的したチャネル「ヨクスル」を作成。社員が改善提案を投稿し、一定数の"いいね"が集まると、社長および有志で運営する事務局が提案した社員に伴走して、実現に向けて行動する仕組みだ。各提案の状況はタスク管理ソリューションのMicrosoft Plannerで可視化している。

 Microsoft Teamsの効果としてコーポレート統括本部 経営戦略統括部 経営企画室 アドバンストジェネラルスペシャリストの梶翔馬氏は、「社長専用チャネルを作成し、社員へ思いを伝える場を設けたところ、メールでは難しかった感情共有に成功した。また、出社せざるを得ない社員にマスクを送付する取り組みで、社員同士のコミュニケーションの場にもなった。Microsoft Teamsによる情報共有も大事だが、感情共有の重要性を改めて理解した」と述べた。クレスコは今後、自社の取り組み結果を知見として、顧客の業務効率化支援に取り組むという。

クレスコ コーポレート統括本部 経営戦略統括部 経営企画室 アドバンストジェネラルスペシャリストの梶翔馬氏(左)と、クレスコ サービスコンピテンシー統括本部 テクノロジーサービスユニット 先端技術事業部長の髙津聡氏
クレスコ コーポレート統括本部 経営戦略統括部 経営企画室 アドバンストジェネラルスペシャリストの梶翔馬氏(左)と、クレスコ サービスコンピテンシー統括本部 テクノロジーサービスユニット 先端技術事業部長の髙津聡氏

 また、自動車・汎用機器等部品の製造および販売を手がける武蔵精密工業は、2台のMicrosoft HoloLens 2とDynamics 365 Remote Assistを利用して、海外拠点の生産ライン立ち上げに成功した。本来は2020年3月にメキシコ工場を立ち上げる予定だったが、コロナ禍における渡航制限も相まって、同年4月からリモート支援の検討を開始している。自動車の駆動系やフレーム連結部、足回りの部品を生産する設備を現地で稼働させるため、同社および設備メーカーが共同で現地技術者にMicrosoft Teamsによる遠隔指示を実施した。

 現地の技術者はMicrosoft HoloLens 2を装着して、日本からの指示を受けながら設備が正しく稼働するか確認し、加工した部品の精度などを検証した。取り組みについてPT事業部 PT Gear 2 グループ グループマネージャーの衛藤明頼氏は、「通訳を介して説明するため、微妙な表現が伝わりにくい。また、無線LANによるネットワーク環境の整備に苦労した」と振り返った。同年6月から加工設備8台が稼働するメキシコ工場の立ち上げに要した費用は、「11人×20万円=約220万円」、期間は「11人×24時間=約264時間」だった。現在はインドネシアやハンガリーでも同様に取り組んでおり、今後はカナダやベトナムなどへの展開も予定している。

武蔵精密工業 PT事業部 PT Gear 2 グループ グループマネージャーの衛藤明頼氏
武蔵精密工業 PT事業部 PT Gear 2 グループ グループマネージャーの衛藤明頼氏

 マイクロソフトの三上氏は、中堅中小企業のコロナ禍におけるデジタル化には大きな障壁があると説明する。同社が提示した調査結果によれば、通信環境(78%)、紙ベースの業務フロー(74%)、セキュリティリスク(70%)、就業規則(66%)、対面コミュニケーションが必要な業務(62%)がトップ5に並んだ。

 これらの課題に対して三上氏は、「『通信環境』はVPNに依存しない通信環境やMicrosoft Teamsを用いた外線電話からのオンライン会議参加。『紙ベースの業務フロー』は申請/承認フローアプリを提供する。『セキュリティリスク』はセキュリティ/機密情報リスク診断・査定や、クラウド経由で基幹システムにアクセスするWindows Virtual Desktopを提供。『就業規則』はデータで可視化するリモートワーク状況把握ツールやテンプレートを用意。『対面コミュニケーション』はMicrosoft Teamsのワークショップを通じて、リアルに近いコミュニケーションを提供したい」と提案した。

 その一環としてMicrosoft Teamsが今後実装する新機能も合わせて披露。同じ空間にいるような錯覚を起こす「Togetherモード」や、アイコンを押すと映像にオンライン会議参加者の反応が浮かび上がる「ライブリアクション」、暗い部屋から(オンライン会議に)参加すると"女優ライト"のように明るくする「ビデオフィルター」が今後利用可能になる。また、ホームオフィスの品質を向上させるMicrosoft Teams対応デバイスも今秋から展開する予定だとした。

 8月3日に提供を開始した「リモートワーク スターター プラン」は、Microsoft TeamsとOneDrive for Businessをセットに、300人までを対象とした日本マイクロソフト独自のプランになる。「中堅中小企業にはきめ細かいサポートが必要なため、パートナー経由の提供する」(三上氏)といい、参考価格は1ユーザー当たり月額399円、1日当たりは13円」とアピールする。

「リモートワーク導入支援キャンペーン」の概要
「リモートワーク導入支援キャンペーン」の概要

 また、法人向けMicrosoft 365「リモートワーク導入支援キャンペーン」を7月1日から実施している。2020年末まで購入シート当たり2000/5000/1万円のキャッシュバックを用意している。三上氏は「これはすぐにオンライン会議を必要とする中堅中小企業向けとなり、最終的にはMicrosoft 365へ移行してもらいたい」と説明した。

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