VMwareは米国時間9月29日より開催している「VMworld 2020」で、ユーザーが「どのクラウドでもすべてのアプリを(any app on any cloud)」構築、実行、管理、接続、保護できるよう支援する複数のイノベーションを発表した。
VMwareによると、現在1500万を超えるエンタープライズワークロードがクラウドでVMwareで稼働している。
VMwareのプロダクトおよびクラウドサービス担当最高執行責任者(COO)Raghu Raghuram氏は、「すべてのビジネスにすべてのクラウドの力を引き出すための当社の計画で、大きなマイルストーンに達している。当社は現在、VMwareベースのサービスをすべての主要なパブリッククラウドプロバイダーで提供するとともに、世界中で多くのVMware Cloud Verifiedパートナーを擁しており、顧客のアプリケーション戦略をサポートしている」と述べた。
「当社の戦略を前に進める中、クラウドインフラのポートフォリオ、オペレーション、セキュリティサービスを拡大し、より素早いアプリケーションの移行とモダナイゼーション、さらなるビジネスのアジリティと弾力性を実現している」(Raghuram氏)
同社は、2019年に発表した「Tanzu」Kubernetesポートフォリオ、Carbon Blackの買収によってさらなる連携を実現した分散したワークフォースのセキュリティに関するアップデート、「ハイブリッドクラウドアーキテクチャーを再定義する」とした「Project Monterey」のほか、マルチクラウドにフォーカスした複数の発表を行った。
「VMware Cloud Disaster Recovery」は新しいオンデマンドのDRaaS(ディザスターリカバリーアズアサービス)で、オンプレミスの「vSphere」ワークロードを「VMware Cloud on AWS」で保護する。「VMware Cloud on Dell EMC」(Dell Technologies Cloudのデータセンターアズアサービス)には、新しい「VMware HCX」ワークロード移行機能、パフォーマンスの向上、新しいホストタイプ、単一ラック内の複数のクラスターのサポートが追加された。
今回発表された新しいクラウド管理サービスには、「Cloud Management Hybrid Subscription Solution」や「VMware vRealize AI Cloud」(以前の「Project Magna」)もある。Cloud Management Hybrid Subscription Solutionは「VMware vRealize Cloud Universal」がSaaSとオンプレミス管理ソフトウェアを単一のサブスクリプションライセンスに統合したものだ。VMware vRealize AI Cloudはアプリケーションのパフォーマンスを最適化するインテリジェントなセルフチューニングクラウドサービスだとされている
またVMwareは、さらなるクラウドの自動化と拡張性、アップタイムとレジリエンス、機械学習ベースの予測分析、インテリジェンスなどの機能を仮想クラウドネットワークに追加するとしている。「VMware NSX-T 3.1」の新機能は、より大規模でグローバルなデプロイメントとディザスターリカバリーのユースケースのサポートを強化する。
さらに「CloudHealth by VMware」が「Oracle Cloud Infrastructure」(OCI)をサポートするようになる。「CloudHealth Secure State」は「Google Cloud」のリアルタイム監視機能のほか、20種類の新しいAmazon Web Services(AWS)サービスおよび「Azure」サービス(マネージド「Kubernetes」やサーバーレス構成を含む)を追加する。
「VMware Cloud Partner Navigator」(以前の「Project Path」)は、パートナーが自社のクラウド以外にもビジネスチャンスを拡大できるようにする。「VMware Cloud Director 10.2」には、パートナーがサービスの提供を拡大できるようにする機能群が追加されている。
新しく統合された「VMware Marketplace」では、検証済みの多くのサードパーティー、オープンソース、ファーストパーティーのソリューションにアクセスできる。これらは、「vSphere」「VMware Cloud on AWS」「VMware Cloud on Dell EMC」「VMware Tanzu」環境で展開することが可能だ。
Azure VMware Solution、CloudHealth support for OCI、VMware Cloud on AWSの VMware Tanzuサポート、VMware Cloud on Dell EMCのアップデート、VMware vRealize Cloud Universal、VMware Marketplaceは現在利用可能になっている。VMware Cloud Partner Navigatorはプレビューとなっている。そのほかの製品やサービスは10月末までに提供される予定だ。
さらに同社は、インテリジェントでイベントドリブンな自動化ソフトウェアのパイオニアであるSaltStackを買収する計画を発表した。SaltStackによって、VMwareはソフトウェアの構成管理、インフラやネットワークの自動化機能の強化を実現できるとしている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。