Amazonは米国時間11月9日、同社が開催する年次イベント「Storage Day」(今回が2回目)で、Amazon Web Services(AWS)の「Simple Storage Service」(S3)やその他のストレージサービスにいくつかの新機能を発表した。この中には、S3に保存されたデータが長期間にわたって使用されない場合、コスト効率の高い保存形態に自動的に移動する機能が含まれている。
今回新機能が発表されたサービスは、S3やハイパフォーマンスコンピューティングで使用されることが多い「FSx for Lustre」のほか、「FSx for Windows File Server」「Elastic Block Storage」、「Elastic File System」「AWS Snow」「DataSync」など多岐に渡る。
Amazon S3には「Intelligent-Tiering」と呼ばれるストレージクラスがある。このクラスには性能と価格が異なる複数のアクセス階層が設けられており、アクセス頻度に応じて自動的にオブジェクトを最適のアクセス階層を移動させることで、パフォーマンスを維持しながら価格を抑えられるようになっている。
今回の発表では、このIntelligent-Tieringに、新たに「Archive」アクセス階層と「Deep Archive」アクセス階層が追加された(性能と料金はそれぞれ「S3 Glacier」「S3 Glacier Deep Archive」と同じ)が追加されることが明らかになった。これらのアクセス階層の料金は、従来のアクセス階層よりも大幅に安く設定されており、指定したアセットが90日間、あるいは180日間使用されなかった場合、自動的にこれらのアクセス階層に移動させることができるようになる。
Amazonは、「必要な時にはすぐに高スループット、低遅延のアクセスを行うことができる一方、180日以上アクセスされていないオブジェクトについては、自動的に料金を1TBあたり月額1ドル以下に抑えることができる」と述べ、大幅なコスト削減につながる可能性があるとしている。
同社は、「S3 Intelligent-Tieringの顧客は、これまでも最大で40%のコスト削減が可能だったが、新しく設けられたアーカイブ用のアクセス階層を使用すれば、アクセス頻度が低いオブジェクトに関しては、ストレージ費用を最大で95%を削減できる」と述べている。
FSx for Lusterでは、顧客がチームのストレージ使用量に上限を設けることができるようになった。また、FSx for Windows File Serverでは、Windowsファイル共有を作成する際にDNSエントリーを設定し、クラウドアプリケーションからファイルアクセスを提供する際の複雑さを軽減できるようになった。
さらに、AWSの「Elastic Compute Service」のコンテナで実行されているアプリは、Windowsファイル共有に直接アクセスできるようになるという。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。