VMwareは米国時間11月18日、数年前から開発に取り組んでいたブロックチェーンプラットフォーム「VMware Blockchain」の商用提供を開始すると発表した。この技術は、企業に分散型アプリケーション向けの拡張性と信頼性を備えたオープンソースのインフラを提供することが狙いだ。
同社は2018年に「Project Concord」という名称の下、組織の境界を越えて信頼できる情報共有を可能にする、エンタープライズグレードのサービスの開発に取り組んでいることを明らかにした。
VMwareは当時のビジョンとして、エンタープライズ向けブロックチェーンの主要要素となるのは、マネージドデータの複製をパブリッククラウドとプライベートクラウドで配備できる選択肢、監査およびコンプライアンスの機能、エンタープライズ対応のセキュリティと耐障害性、VMwareのその他の製品との統合機能だと述べていた。
リリースされた完成品には、意図されていた多くの機能のほか、同社が提供する展開、監視、管理、サポートサービスといった、VMware特有のアーキテクチャーや運用機能も含まれている。VMwareによると、インフラは独自の階層型アーキテクチャーのメリットを提供する。また、オープンソースのスマートコントラクト言語のDAMLにも対応している。
このプラットフォームは、VMware ResearchがProject Concordの一環として社内で開発した、エンタープライズグレードのコンセンサスエンジン「Scalable Byzantine Fault Tolerance(SBFT)」も備えている。この技術は、耐障害性と悪意のある攻撃に対する防御を維持しつつ、ブロックチェーン導入に関する拡張性とパフォーマンスの課題を解決することを目的としている。SBFTコンセンサスの仕組みにより、分散化された信頼性を維持し、マルチパーティーのネットワークでの継続的なガバナンスにも対応できる。
VMwareはこの分散型台帳技術の主なターゲット市場として、金融サービス、ヘルスケアなどを挙げている。
VMwareのブロックチェーン担当ゼネラルマネジャーでバイスプレジデントのBrendon Howe氏は、次のように述べている。「当社は、エンタープライズグレードのブロックチェーンプラットフォームを開発し、金融サービス業界や、高信頼性かつ高性能のブロックチェーンサービスを必要とする、その他のミッションクリティカルな分散型ワークロードの最も厳格なアプリケーション要件を満たすべく、注力してきた。VMware Blockchainは、顧客が現在、本番環境で必要なエンタープライズ機能に加え、急速に進化するブロックチェーン分野の将来的なニーズに対応できる柔軟性も提供する」
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。