認識技術を手掛けるスイスのScanditは11月19日、日本法人「スキャンディット」を設立し、日本市場に参入すると発表した。既にイオンリテールが展開するタッチレス購買の「レジゴー」などで採用されているという。
同社は2009年に創業し、チューリッヒに本拠を置く。複数のバーコードの同時読み取りや文字認識、物体認識、拡張現実(AR)の技術に強みがあり、これら技術を端末やアプリケーションに組み込めるSDK(ソフトウェア開発キット)を展開する。顧客は1000社以上で、年間10億回以上のスキャンが同社の技術で処理されているという。
日本進出について共同創業者でCEO(最高経営責任者)のSamuel Mueller氏は、「コロナ禍により企業や顧客、従業員が非接触対応の重要性を認識し、われわれが日本市場に参入することで、非接触のスキャニングソリューションを提供できることをうれしく思う」とコメント。日本法人の事業責任者を務める関根正浩氏は、「スキャナー専用端末をスマートデバイスに置き換えコスト削減できる。現実世界にデジタル情報を融合するARオーバーレイ機能を利用することで生産性が向上する。世の中の全ての商品に既に貼り付けられているバーコードをデジタル変革の起点にできる」と述べている。
国内顧客はイオンリテールのほか流通・小売など20社ほどあるとし、今後は運輸や製造などの顧客獲得を目指し、製品の販売拡大とパートナー戦略の拡充などを進めていくとしている。

日本の事業戦略