Dropbox Japanは11月20日、同社の電子署名サービス「HelloSign」をAPI(アプリケーションプログラミングインターフェース)連携対応した「HelloSign API」について説明会を開催した。
HelloSignは同名の米国企業が2012年に提供を開始し、現在150カ国以上で利用されている。2019年のDropboxによる買収に伴い、22カ国語対応になったほか、オンラインストレージサービス「Dropbox」にHelloSignの機能が組み込まれた。
HelloSign APIの開発期間は平均2.5日で、顧客の39%においては1日以内で開発を完了しているという。
機能面の特徴としては、連携するウェブサイトに署名機能を埋め込むことができ、ユーザーはHelloSignのページに移行することなく署名をすることが可能。また、ホワイトラベリングを行っており、顧客は自社のロゴやサービスのカラーを付けることができる。Dropbox Japan ソリューションアーキテクトの保坂大輔氏は「ユーザーがサービスの契約時などに署名をする場合、一見関係のないサービスから連絡が来ると、警戒することが予想される。そのため、HelloSignという名称は出すことなく、契約するサービス名で署名をしてもらっている」と説明した。
続いて、HelloSign APIの導入事例を紹介。教育ローンサービスを提供する企業climbでは、ローンの申し込みから貸し出しまでに時間がかかるという課題を抱えていた。その要因には、印刷、署名、スキャン、FAXという煩雑なワークフローがある。なお、ユーザーの大半は未成年者のため、申し込みには親の署名が必要だが、別々に住んでいるケースもあり、オフラインのワークフローでは書類を郵送するなどの手間がかかっていた。
Dropboxは、ワークフローを自動化するとともに、モバイルでの契約に対応した。その結果、ローンの承認にかかる時間が約3分の1になり、それによって他社サービスへの乗り換え率が低下した。HelloSign APIの導入理由には、実質1日という短い開発期間のほか、自社のアプリケーションから利用できることや、価格モデルがシンプルである分、かかるコストが明確だったことがあるという。
最後に保坂氏は、HelloSignとHelloSign APIの違いを説明(下図参照)。HelloSignは担当者がウェブ上で操作をして署名依頼をするが、HelloSign APIは自動で行うため、手動では対応しきれないほど依頼する署名の数が多い場合は、HelloSign APIの方が適しているという。ホワイトラベリングに関しては、ロゴを付けることはHelloSignでも可能だが、色の調整などはHelloSign APIのみで行うことができる。
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