AWS re:Invent

AWS、「Amazon HealthLake」発表--医療やライフサイエンス業界向けビッグデータストア

Tiernan Ray (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2020-12-09 11:27

 Amazon Web Services(AWS)の人工知能(AI)担当バイスプレジデントであるMatt Wood氏は米国時間12月8日、オンラインイベント「AWS re:Invent」の第2週目に実施された機械学習(ML)関連の基調講演で、産業分野におけるMLの応用にまつわる新たな複数の側面について論じた。

Amazon HealthLake

 Wood氏は特に、ヘルスケアとライフサイエンスについて時間をかけて語った。同氏によるとこれらの分野での取り組みは、さまざまなフォーマットのデータが数々のリポジトリーに分散していることが障害となっており、データの準備やステージング、加工に何週間、あるいは何カ月もかかっているという。

 Wood氏は、こういった状況を改善するための新たなAWSサービスとして「Amazon HealthLake」を発表した。HIPPA(医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律)に準拠した、ヘルスケアとライフサイエンス分野の組織向けのサービスだ。このサービスによって、「ペタバイト規模のヘルスデータやライフサイエンスデータの格納、加工、分析をクラウドで実行する」方法がもたらされる。

 Wood氏は例として、HealthLakeを用いた糖尿病の診断を挙げた。糖尿病の早期診断に向け、医師はドナー情報や処方せん情報といった大量のデータに目を通す必要がある。

 同氏は、こういったデータすべてを分析するには「途方もない労力が必要となる」と述べ、「そのような作業がものの数分で終わるようになる」と続けた。HealthLakeは自動的に構造化データを読み込むだけでなく、医師のカルテから患者名などの情報を抽出してデータレイクに追加する。Wood氏は、「これらは異なったサイロ内に散らばっているパズルのピースのようなものだが、組み合わせることで、ずっと明確な状況を把握できるようになる」と述べた。

 Wood氏は、大手医療機器メーカーPhilipsの放射線情報事業担当ゼネラルマネージャーElad Benjamin氏を招いた。Benjamin氏は、ヘルスケア分野では膨大な量のデータによって困難がもたらされているとし、「医師はこうしたサイロを行き来する必要がある。そして、診断や治療が難しくなる状況が生まれている」と述べた。Philipsは、医療従事者が雑事に振り回されることなく「より高いレベルの活動」に注力できるようにするためにAWSのサービスを利用している。

Philips Elad Benjamin

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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