オートメーション・エニウェア・ジャパンは12月16日、エンタープライズRPAプラットフォーム「Automation Anywhere Enterprise A2019」をシトリックス・システムズ・ジャパンが提供する「Citrix Workspace」のマイクロアプリと連携させることを発表した。ユーザー企業の従業員全員がセキュリティの高いネットワーク環境で業務プロセスの自動化を行えるよう支援するとともに、ニューノーマル時代の新しい働き方にふさわしい業務インフラのソリューションになるという。
まず、Citrix Workspaceの概要について、シトリックス・システムズ・ジャパン セールス・エンジニアリング本部 執行役員 本部長の永長純氏が説明した。Citrix Workspaceは「セキュア・デジタル・ワークスペース・プラットフォーム」であり、従来型の既存業務アプリケーションやクラウドネイティブなアプリケーションやSaaSなど、従業員が使用するさまざまなアプリケーションをまとめる統合インターフェースを提供する。

Citirx Workspaceの概要。「いつでも」「どこからでも」「どんなデバイスからでも」業務アプリケーションにセキュアにアクセスできる“デジタルワークプレイス”を提供する。たとえば、スマートフォンからいつも利用している業務アプリケーションにアクセスして仕事ができる、という環境を実現する
Citrix Workspaceのマイクロアプリは関連する実用的な通知をアプリケーションからユーザーのワークスペースに直接配信するために使用できるサービスで、100種類以上のアプリケーションがサポートされている。連携するアプリケーション側が公開しているAPIを利用しているため、メインフレームやミニコンといったレガシーシステムで稼働するアプリケーションはさすがに少ないと思われるが、クラウド以前のクライアント/サーバーモデルのアプリケーションや独自開発のアプリケーションなど、API公開を行っていないアプリケーションはまだ多数運用されているが、これらのアプリケーションをマイクロアプリで統合することはできない。

Citrix Workspaceのマイクロアプリで外部アプリケーションとの連携を行う方法の違い。APIが公開されており、Citrix MicroappがサポートしているSaaSの場合は直接連携ができるが、サポート外のSaaS、またはAPIが用意されていないオンプレミス/レガシーアプリケーションについてはAutomation Anywhere経由で連携する
一方、Automation Anywhereによる自動化ではAPI連携を使わずにユーザーの操作をロボットが模倣することもできるため、APIを実装していないアプリケーションでも自動化が可能だ。Automation Anywhere自体はAPIを公開しており、今回の連携でAutomation AnywhereクラウドとCitrixクラウドがAPI連携したため、Citrix WorkspaceのマイクロアプリからAPI連携でAutomation Anywhereが自動実行する各種アプリケーションの情報を取得できるようになった。いわば、Automation Anywhereがレガシーアプリケーションに対する汎用的なコネクターとして活用される形だ。
この連携によって、Citrix Workspaceユーザーは従来マイクロアプリの連携対象外だったレガシーアプリケーションをWorkspaceに統合することができるようになる。また、Automation Anywhere側のメリットは、Citrix Workspaceユーザーでの利用が拡大することが見込まれることだろう。

Citrix WorkspaceのマイクロアプリとAutomation Anywhereの連携の詳細。Citrix WorkspaceとAutomation AnywhereはAPI連携し、Automation Anywhereがコントロールしているアプリケーションと間接的に連携する形になる

Automation Anywhereを中核とした全体像。Automation Anywhereから見ると、企業内で利用されているさまざまなアプリケーションを統合管理する「インテリジェントオートメーションプラットフォーム」であるAutomation Anywhere A2019に、どこからでもどんなデバイスからでも接続できるユーザーアクセスの柔軟性を実現するCitrix Workspaceがユーザーインターフェースとして加わるというイメージになる
永長氏は今回の連携に関して、「これまでCitrix WorkspaceではSaaSに対する対応はできているが、日本のユーザー企業ではまだまだオンプレミスのアプリケーションやレガシーシステムなどの従来型のアプリケーションがあるので、これをWorkspaceを通じてアクセスするにはどうするのか。その部分をAutomation Anywhereと一緒にやっていき、日本市場に展開してきたい」と語った。
また、オートメーション・エニウェア・ジャパン カントリーマネジャー 日本営業統括の由井希佳氏は「Citrix WorkspaceとAutomation Anywhere A2019の親和性が優れており、しかもすぐに利用できるという点がポイントだ」と指摘している。

シトリックス・システムズ・ジャパン セールス・エンジニアリング本部 執行役員 本部長の永長純氏(左)とオートメーション・エニウェア・ジャパン カントリーマネジャー 日本営業統括の由井希佳氏