オートメーション・エニウェア、Citrix Workspaceとソリューション連携

渡邉利和

2020-12-21 10:06

 オートメーション・エニウェア・ジャパンは12月16日、エンタープライズRPAプラットフォーム「Automation Anywhere Enterprise A2019」をシトリックス・システムズ・ジャパンが提供する「Citrix Workspace」のマイクロアプリと連携させることを発表した。ユーザー企業の従業員全員がセキュリティの高いネットワーク環境で業務プロセスの自動化を行えるよう支援するとともに、ニューノーマル時代の新しい働き方にふさわしい業務インフラのソリューションになるという。

 まず、Citrix Workspaceの概要について、シトリックス・システムズ・ジャパン セールス・エンジニアリング本部 執行役員 本部長の永長純氏が説明した。Citrix Workspaceは「セキュア・デジタル・ワークスペース・プラットフォーム」であり、従来型の既存業務アプリケーションやクラウドネイティブなアプリケーションやSaaSなど、従業員が使用するさまざまなアプリケーションをまとめる統合インターフェースを提供する。

Citirx Workspaceの概要。「いつでも」「どこからでも」「どんなデバイスからでも」業務アプリケーションにセキュアにアクセスできる“デジタルワークプレイス”を提供する。たとえば、スマートフォンからいつも利用している業務アプリケーションにアクセスして仕事ができる、という環境を実現する
Citirx Workspaceの概要。「いつでも」「どこからでも」「どんなデバイスからでも」業務アプリケーションにセキュアにアクセスできる“デジタルワークプレイス”を提供する。たとえば、スマートフォンからいつも利用している業務アプリケーションにアクセスして仕事ができる、という環境を実現する

 Citrix Workspaceのマイクロアプリは関連する実用的な通知をアプリケーションからユーザーのワークスペースに直接配信するために使用できるサービスで、100種類以上のアプリケーションがサポートされている。連携するアプリケーション側が公開しているAPIを利用しているため、メインフレームやミニコンといったレガシーシステムで稼働するアプリケーションはさすがに少ないと思われるが、クラウド以前のクライアント/サーバーモデルのアプリケーションや独自開発のアプリケーションなど、API公開を行っていないアプリケーションはまだ多数運用されているが、これらのアプリケーションをマイクロアプリで統合することはできない。

Citrix Workspaceのマイクロアプリで外部アプリケーションとの連携を行う方法の違い。APIが公開されており、Citrix MicroappがサポートしているSaaSの場合は直接連携ができるが、サポート外のSaaS、またはAPIが用意されていないオンプレミス/レガシーアプリケーションについてはAutomation Anywhere経由で連携する
Citrix Workspaceのマイクロアプリで外部アプリケーションとの連携を行う方法の違い。APIが公開されており、Citrix MicroappがサポートしているSaaSの場合は直接連携ができるが、サポート外のSaaS、またはAPIが用意されていないオンプレミス/レガシーアプリケーションについてはAutomation Anywhere経由で連携する

 一方、Automation Anywhereによる自動化ではAPI連携を使わずにユーザーの操作をロボットが模倣することもできるため、APIを実装していないアプリケーションでも自動化が可能だ。Automation Anywhere自体はAPIを公開しており、今回の連携でAutomation AnywhereクラウドとCitrixクラウドがAPI連携したため、Citrix WorkspaceのマイクロアプリからAPI連携でAutomation Anywhereが自動実行する各種アプリケーションの情報を取得できるようになった。いわば、Automation Anywhereがレガシーアプリケーションに対する汎用的なコネクターとして活用される形だ。

 この連携によって、Citrix Workspaceユーザーは従来マイクロアプリの連携対象外だったレガシーアプリケーションをWorkspaceに統合することができるようになる。また、Automation Anywhere側のメリットは、Citrix Workspaceユーザーでの利用が拡大することが見込まれることだろう。

Citrix WorkspaceのマイクロアプリとAutomation Anywhereの連携の詳細。Citrix WorkspaceとAutomation AnywhereはAPI連携し、Automation Anywhereがコントロールしているアプリケーションと間接的に連携する形になる
Citrix WorkspaceのマイクロアプリとAutomation Anywhereの連携の詳細。Citrix WorkspaceとAutomation AnywhereはAPI連携し、Automation Anywhereがコントロールしているアプリケーションと間接的に連携する形になる
Automation Anywhereを中核とした全体像。Automation Anywhereから見ると、企業内で利用されているさまざまなアプリケーションを統合管理する「インテリジェントオートメーションプラットフォーム」であるAutomation Anywhere A2019に、どこからでもどんなデバイスからでも接続できるユーザーアクセスの柔軟性を実現するCitrix Workspaceがユーザーインターフェースとして加わるというイメージになる
Automation Anywhereを中核とした全体像。Automation Anywhereから見ると、企業内で利用されているさまざまなアプリケーションを統合管理する「インテリジェントオートメーションプラットフォーム」であるAutomation Anywhere A2019に、どこからでもどんなデバイスからでも接続できるユーザーアクセスの柔軟性を実現するCitrix Workspaceがユーザーインターフェースとして加わるというイメージになる

 永長氏は今回の連携に関して、「これまでCitrix WorkspaceではSaaSに対する対応はできているが、日本のユーザー企業ではまだまだオンプレミスのアプリケーションやレガシーシステムなどの従来型のアプリケーションがあるので、これをWorkspaceを通じてアクセスするにはどうするのか。その部分をAutomation Anywhereと一緒にやっていき、日本市場に展開してきたい」と語った。

 また、オートメーション・エニウェア・ジャパン カントリーマネジャー 日本営業統括の由井希佳氏は「Citrix WorkspaceとAutomation Anywhere A2019の親和性が優れており、しかもすぐに利用できるという点がポイントだ」と指摘している。

シトリックス・システムズ・ジャパン セールス・エンジニアリング本部 執行役員 本部長の永長純氏(左)とオートメーション・エニウェア・ジャパン カントリーマネジャー 日本営業統括の由井希佳氏
シトリックス・システムズ・ジャパン セールス・エンジニアリング本部 執行役員 本部長の永長純氏(左)とオートメーション・エニウェア・ジャパン カントリーマネジャー 日本営業統括の由井希佳氏

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    Google Chrome Enterprise が実現するゼロトラスト セキュリティの最新実情

  2. ビジネスアプリケーション

    ITSMに取り組むすべての人へ、概要からツールによる実践まで解説、「ITSMクイックスタートガイド」

  3. ビジネスアプリケーション

    業務マニュアル作成の課題を一気に解決へ─AIが実現する確認と修正だけで完了する新たなアプローチ

  4. セキュリティ

    あなたの会社は大丈夫?--サイバー攻撃対策として必要な情報セキュリティの早分かりガイドブック

  5. セキュリティ

    いまさら聞けないPPAPの問題点、「脱PPAP」を実現する3つの手法と注目の"第4のアプローチ"とは

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]