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「先進のデジタル技術で日本企業のカルチャー変革を支援したい」--レッドハット新社長が意気込みを語る

聞き手・文=松岡功

2021-02-17 06:00

 米Red Hatの日本法人レッドハットの代表取締役社長に、日本マイクロソフト常務執行役員を務めていた岡玄樹氏が2021年1月4日付で就任した。「先進のデジタル技術で日本企業のカルチャー変革を支援したい」と意気込む同氏は、レッドハットでどのような経営を目指すのか(写真1)。

写真1.レッドハット 代表取締役社長の岡玄樹氏
写真1.レッドハット 代表取締役社長の岡玄樹氏

レッドハット新社長に就任した岡氏の思いとは

 Linuxをはじめとするオープンソースソフトウェア(OSS)を企業向け製品として開発・販売するRed Hatは今、ハイブリッドクラウドソリューションの需要拡大に伴い、その中核技術となるコンテナープラットフォーム「Red Hat OpenShift」をはじめとした製品群によって存在感を高めている。2019年7月にIBMの傘下に入ってハイブリッドクラウド事業戦略の要を担う一方、独立した企業として、さらにパートナーや顧客企業とのビジネスエコシステムを拡充しつつある。

 下図は「オープン・ハイブリッド・テクノロジー」と称して同社が現在、提供している製品群である。「Red Hat Enterprise Linux(RHEL)」およびOpenShiftを中核とした展開は今後も変わらないと見られるが、新たな事業戦略については3月にも発表する予定とのことなので、このインタビューでは岡氏の経営に対する見方や考え方にフォーカスしたい。

図.オープン・ハイブリッド・テクノロジーによるRed Hatの製品群(出典:レッドハット)
図.オープン・ハイブリッド・テクノロジーによるRed Hatの製品群(出典:レッドハット)

 まずは、レッドハットの社長に就いた思いについて聞くと、こんな答えが返ってきた。

 「経営者として新たにチャレンジする機会があれば、積極的に挑むことを信条としている。しかもRed Hatは製品と同様、オープンな企業カルチャーをモットーとしており、たゆまぬカルチャー変革を続けている。私もこれまでのキャリアから経営者としてカルチャー変革に携わることを最重視しており、Red Hatのそうしたノウハウを活用しながら、日本法人のレッドハットをはじめ日本企業のお客さまのカルチャー変革に貢献していきたいと思った」

 さらに、「オープンソースのイノベーションから生まれる先進のテクノロジーをお客さまのビジネスやマネジメントにどのようにお役立ていただけるか。分かりやすく説明してもっと広く認知してもらえるように尽力していきたい」と、Red Hatのテクノロジーをビジネスに生かす「橋渡し役」に強いモチベーションを感じているとのことだ。

 岡氏は1979年2月24日生まれの41歳。まもなく42歳になるが、日本の企業向けIT大手ベンダーでは目を引く若さだ。東京都出身。慶應義塾大学卒業後、米系投資銀行のリーマン・ブラザーズに入社。2006年に米コロンビア大学でMBA(経営学修士)を取得後、マッキンゼー・アンド・カンパニーのパートナーとしてM&A(合併・買収)などのコンサルティングに従事。マッキンゼーにはおよそ10年勤務した。その後、事業会社の経営に携わり、2018年5月に日本マイクロソフトの常務執行役員に就任。COO(最高執行責任者)として事業全般を統括してきた。

 このキャリアからすると、早くから経営者を目指そうという思いがあったようだ。そう水を向けると、岡氏は肯定した上で次のように話した。

 「経営者を目指そうと思ったのは、これまでのべ20年を超える海外での生活や仕事の経験を生かして、日本企業のお役に立ちたいと考えたからだ。日本企業は、例えば、モノづくりにおいて秀でているが、ビジネスの進め方やマネジメントの仕方が独特で、グローバル市場への進出に苦労しているところが少なくない。私はそうした状況を見て『もったいない』と常々感じてきた。グローバルで通用する企業になるためには、企業カルチャーもグローバルでなければならない。その点で、私の経験を日本企業のビジネスやマネジメントに生かせるのではないかと考えてきた」

 のべ20年を超える海外経験というのは、父親の仕事の関係で幼少期からおよそ10年、それと社会人になってからのおよそ10年を合わせたもので、米国が中心だが、20代の一時期、NGO団体ピースボードに参画して世界を駆け巡った経験も持つ。

 さらに、経営者を目指す決心をしたターニングポイントについて、岡氏はこんな話をしてくれた。

 「グローバルで活躍できる経営者を目指す決心をしたのは、社会人になって間もなく母親が病気で亡くなったとき、私がMBAを取得するための留学費用を積み立ててくれていたことが分かったのがきっかけだ。MBAを取りたいというのは大学時に一度ポロッと話しただけだったが、ずっと覚えていてくれていた。そんな母の思いに応えたいというのが、その後ずっと私のモチベーションの原動力になっている」

 この話をしているときの、岡氏の決意に満ちた表情が印象的だった。

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