ガートナー ジャパンは、新たなネットワーキングへの移行に関する2021年の展望を発表した。これによると、2024年までにクラウド型セキュリティゲートウェイを採用する企業は60%を超えるという。
![ITリーダーが優先したネットワーク関連の移行/増強作業](/storage/2021/03/02/32beb3f21a40b5675b5a33a7c67c7f27/gartner0301.jpg)
ITリーダーが優先したネットワーク関連の移行/増強作業
同社は、国内企業を対象に2020年9月に実施した調査で、新型コロナウイルス感染症が企業ネットワークに与える影響に対処するために優先した作業について尋ねた。その結果、最優先した作業として上位に挙げられたのは、「インターネット接続の契約帯域の増速」「セキュリティゲートウェイ機器のクラウド型への移行」「VPN装置の増強」の3つだった。さらに、優先度を問わず最も多くの回答を集めたのは、「セキュリティゲートウェイ機器のクラウド型への移行」だった。
2020年1月の同じ調査では、クラウド型セキュリティゲートウェイを採用した企業は10%程度だった。ガートナーでは、これらのことから2024年における予測を行った。
同社では、クラウド型ゲートウェイなどで構成される新たな市場を「セキュアアクセスサービスエッジ(SASE)」と定義し、多くの企業が今後注目し、導入すべきソリューションとして提唱している。しかし、多様なテクノロジが織りなすこのソリューション全体が成熟するまでには、5~7年かかると見られるという。
そこで同社は、移行を進めるに当たって事前に知っておくべき5つのポイントを下記のようにまとめた。
- オンプレミスとクラウドのハイブリッドを前提とした移行を進める
- スモールスタートによって安定した移行を実現する
- 運用しながら変化させていく時代に合わせたスキルセットを獲得する
- ポリシー中心のネットワーキングへのチャレンジを理解する
- さまざまなテクノロジーの組み合わせで解決するチャレンジを理解する(SASE、VPN、ゼロトラストネットワークアクセス[ZTNA]、ソフトウェアデファインドWAN[SD-WAN]の関係など)
さらに、IT部門に対して、在宅勤務環境を支えるクラウド型のリモートアクセスVPN(ZTNA)への移行や、トラフィックが集中しがちなプロキシーを提供するクラウド型ゲートウェイ(セキュアウェブゲートウェイ[SWG])などから導入し、新たなネットワーキングへの移行を開始することを推奨している。