Sansanは3月8日から5日間、多数のユーザー事例を披露するオンラインイベント「Sansan Evolution Week 2021 Spring」を開催した。くしくも2021年は経済産業省が掲げた「DXファースト期間」最初の年。同社はイベントを通じて、日本企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)化推進を目的としている。
ベルフェイス グロースビジネスグループ セールスディヴィジョン ゼネラルマネージャー 岩田恭行氏
初日となる3月8日には、オンライン商談システム「bellFace」を開発、提供するベルフェイス グロースビジネスグループ セールスディヴィジョン ゼネラルマネージャー 岩田恭行氏が登壇。「『非対面のデジタル営業』ではじめるDX-日々の営業活動を教育資産に変える」と題して講演した。
非対面営業のスキルが不足
岩田氏は冒頭から「営業組織/営業マネージャーの課題は『リソース不足』『スキル不足』の2つに集約される。営業部門は常に忙しく、時間が足りないのは営業マネージャーが該当。後者は人材の育成、提案力強化など競合への対策は営業部門の課題として鎮座している」と指摘する。
その上で岩田氏は1つの数式として「対応コスト÷売り上げ(商談数×受注率×単価)=営業生産性」を提示して、営業部門を構成する人件費や販促費を指標として可視化し、改善し続けることの重要性を強調した。具体的には対応コストを下げ、それ以外の要素を高めることで営業生産性の向上につながるのだと指し示す。
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だが、コロナ禍における対面営業は事実上崩壊し、オンラインでの非対面営業が主軸になりつつある。
岩田氏は「これまでの営業の当たり前、商習慣が成立しない」が前提であると前置きしながら、「営業部門としては死活問題であり、看破できない課題。さらに非対面営業のスキル不足に悩まされている」(岩田氏)と新たな課題を提示した。
同社が提示した調査によれば、「商談数の低下(23%)」「新規電話をかけにくい風潮(22%)」「新規電話でのアポイント取得数(16%)」がコロナ禍における営業活動の課題となっている。
さらに「意思疎通やコミュニケーション全般(20%)」「クロージングや交渉(15%)」「不特定多数との商談(13%)」が非対面営業の課題だと回答。さらに営業部門を運営する上での課題として「上司、部下、同僚とのコミュニケーション(50%)」が最上位に並び、いずれも社内外のコミュニケーションが非対面営業における大きな課題として立ちふさがる。
他方でコロナ禍におけるデジタル活用需要は84.8%が「高まった」と回答したことを受けて、「まずは組織として(デジタル活用需要を)正しく認識し、受け入れる。また、デジタルやテクノロジーの導入を周知する」下地作りが重要だと岩田氏は解説した。