情報ソリューションの提供などを行うJBグループは、グループ企業のJBアドバンスト・テクノロジー(JBAT)のクラウド連携基盤「Qanat Universe(カナートユニバース)」を活用して、業務センターの紙やFAXをベースにした業務フローを自動化し、テレワークでの運用と作業の効率化を実現した。持株会社のJBCCホールディングスが4月12日に発表した。
JBCCホールディングスは、テレワークが普及する一方、紙の業務文書や伝票処理が課題になっていると指摘する。OCR(光学文字認識)を活用して紙のデジタル化に取り組む企業も多いが、認識率が不十分だったり多様なフォーマットに対応する必要があったりするため、十分な効果が得られていないとしている。
今回、JBグループの業務センターでは、取引先からの紙の請求書やFAXでやりとりしていた納期回答書をPDF化し、Qanat Universeに取り込む。手書き文字の筆跡や形を学習して文字認識精度を向上させるAI-OCR(人工知能を活用した光学文字認識)に加え、ブレインズコンサルティングの「AI画像補正サービス」の機能を組み合わせることで、これまでOCRでは不十分だったFAXの読み取り精度が98%に向上した。
また、AI画像補正サービスがあらかじめ学習した画像パターンに従い、AI-OCRで読み取ったデータを仕分けしてサイボウズの業務アプリ開発基盤「kintone」につなぐなど、人手を介さない自動処理によりテレワークでも業務を遂行できるようになった。その結果、毎月約900件に及ぶ請求書の処理が自動化したほか、手書きの納期回答書への対応も可能となった。
JBグループの取り組みでは、AI画像補正サービスがFAX受信データのサイズや傾き、印字の濃度などを自動で調整し、AI-OCRで読み取り可能なデータに変換する。同サービスに画像のパターンを学習させることで、取引先やページによってレイアウトが異なる伝票も判別して仕分けることも可能となる。加えて、AI-OCRで読み取ったデータをkintoneに登録したり、社内の基幹システムにおけるデータを検索/更新したりと、Qanat Universeでクラウドと社内システムをスムーズにつなぐことができるという。