野村総合研究所(NRI)は、アマゾン ウェブ サービス ジャパン(AWSジャパン)の協力のもと、アナリティクスプロジェクト向けの分析キットを開発した。
NRIは、このキットなどを活用しながら、企業が実施するアナリティクスプロジェクトに対応し、AWSに関する技術的な知見を有するプロフェッショナルエンジニア、AWS AI(人工知能)/ML(機械学習)認定技術者、データ分析プロフェッショナル用の参画を通じて、環境構築からデータ分析に至るまでの支援を行う。
同キットはNRIがアナリティクス関連プロジェクトで培ったノウハウが集約されされており、「Amazon SageMaker」を活用している。Amazon SageMakerは、AWSが提供する開発者やデータサイエンティスト向けのマネージド型サービスで、モデルの構築、機械学習、デプロイ機能などを提供する。
同キットでは、アナリティクスプロジェクトを効果的かつ効率的に開始/運営できるよう、「分析対象の業務に合わせたデータモデルとサンプルデータ」「分析環境の自動構築テンプレート」「NRIのナレッジを集約/体系化したプロセスガイド」の3つを標準装備している。
「売上予測」「顧客ターゲティング」といったデータ分析/活用の代表的なテーマに即したデータモデルとサンプルデータ、それらを題材としたサンプルソースコードを開発しており、分析対象とする業務に合わせて、用意されたデータモデルの変更や利用が可能。そのため、一からデータモデルを作り上げる必要がない。
自動構築テンプレートによって分析プロジェクトに必要なAWSが提供するサービスの構成を定義し、それらを自動で構築できる。通常は、必要なAWSが提供するサービスを検討して選択した上で、それらの依存関係やセキュリティの設定を行う必要があるが、これらの作業を自動で行うことが可能だ。
テンプレートを活用することで構築期間を大幅に短縮できるため、PoC(概念実証)期間中の分析サイクル実施回数を増やしたり、プロジェクトにおける分析期間を長く取ったりすることができる。また、分析するテーマの内容や段階により、「データの取り込み/可視化」「機械学習」「DWH(データウェアハウス)などの活用」と必要な機能を選択して構築でき、PoCから本格活用に向けた分析基盤へのスケールアップも可能となっている。
また、プロセスガイドを活用することで、AWSが提供するサービスを活用したアナリティクスプロジェクトを、どのように進めていけばよいかが分かり、データ分析に関して経験の浅いメンバーやマネージャにとっては、プロジェクト実施の平易化/平準化が期待できる。