三井化学と日本IBMは、循環経済の実現に向け素材のトレーサビリティー(追跡可能性)を担保するため、ブロックチェーン技術を活用した「資源循環プラットフォーム」の構築に向けて協業を開始した。
ブロックチェーン技術を活用することでサプライチェーン(供給網)の透明化を図るとともに、各ステークホルダー(利害関係者)は中立性と公平性を担保しながら、取引や監査業務の効率化、ペーパーレスといったメリットを享受できる。
資源循環プラットフォームの概要
両社が検討するプラットフォームでは、資源ライフサイクルにおけるトレーサビリティーを担保する。ここでいう資源ライフサイクルとは、モノマーやポリマーなどの原材料から製品の製造、販売、使用と、その後に回収、解体、破砕を経てリサイクル原料となり製品製造に再利用されるまでを指す。
また、リサイクル原料の製造工程や検査工程、物性情報や品質情報なども併せて可視化することで、円滑な流通を支援することを目指す。
なお同プラットフォームには、既存システムと連携したハイブリッドクラウドの構築や人工知能(AI)の活用も検討していく。利用する製品は「IBM Blockchain Platform」と、その基盤としてパブリッククラウド「IBM Cloud」を利用する計画だ。