Microsoftは、Facebookの深層学習フレームワークである「PyTorch」を「Microsoft Azure」で利用している法人顧客向けのサポートを強化した。
同社はPyTorchのオープンソースプロジェクトにさまざまな形で貢献しており、2020年には、「Windows 10」用PyTorchライブラリーのメンテナーの役割も引き受けている。また、これによりWindows 10の「Subsystem for Linux」(WSL)を使った機械学習のトレーニングを後押しすることにもつながっている。
PyTorchはPythonのライブラリーで、Googleの「TensorFlow」と同様に、機械学習や人工知能(AI)でよく使われている。
Microsoftは社内でもPyTorchを使っており、Microsoftに買収されたGitHubでも、Pythonは非常に人気が高いプロジェクトになっている。
MicrosoftがPyTorchのライブラリーを引き継いだのは、WindowsでPyTorchのサポートが「Linux」と「macOS」などのプラットフォームよりも遅れていたためだ。
その引き継ぎから約1年が経過し、「PyTorch Enterprise Support Program」が発表された。サービスプロバイダーが顧客向けに特別に調整したエンタープライズグレードのサポートを開発、提供できるようにする新たなプログラムだ。そしてMicrosoftは「PyTorch Enterprise on Azure」を開始している。「Microsoft Premierサポート」と「ユニファイドサポート」の顧客は、ホットフィックス、バグ、セキュリティパッチなどの優先的なトラブルシューティングを追加コストなしで利用できる。その目的は、PyTorchの利用者に信頼できる「プロダクションエクスペリエンス」を提供することだ。
この取り組みは、Azure上での機械学習を支援し、「Amazon Web Services」(AWS)のPyTorch関連製品を選んでしまうかもしれない開発者を引き付けることを想定しているかもしれない。
プレスリリースでは、「Premierとユニファイドを含むMicrosoft Enterpriseのサポート顧客は、追加費用なしで自動的にPyTorch Enterpriseの対象となる。Azureの専用のPyTorchチームが必要に応じて、ホットフィックスを優先、開発、提供する」と説明されている。また、PyTorch Enterprise on Azureでは長期サポートが提供される。そのほか、Azureサービスとの統合によって、PyTorchの最新リリースは「Azure Machine Learning」と統合される。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。