プラザクリエイトは5月27日、1人用オンライン会議ボックス「One-Bo(ワンボ)」と芸術要素を掛け合わせた「アート×One-Boコラボモデル」を発表した。One-Boはオンライン会議参加や書類作成などを行うパーソナルボックスであり、ZVC Japanと共同企画した。
書道家・武田双雲氏、画家・大橋澪氏、知的障がいを持つアーティストの作品を展開するヘラルボニー(岩手県盛岡市)と共同デザインした3モデルを用意した。同日から受け付けを開始し、7月1日から順次納品を開始する。新モデルを記念したトークイベントも開催された。
オフィスにとって機能するアートとは
「コロナ禍のオフィスを再定義する」をテーマに開催したトークイベントでは、「そもそもアートの価値とは何なのか」「なぜ、いまアートが注目されるのか」「オフィスにとって機能するアートとは」の3テーマを掲げて議論が交わされた。トークイベントに登壇したのは、プラザクリエイト 取締役 新谷隼人氏、現代アートのプロダクション事業を手掛けるHARTi(港区) 代表取締役で最高経営責任者(CEO) 吉田勇也氏、ヘラルボニー 代表取締役社長 松田崇弥氏の3人。
(左から)プラザクリエイト 取締役 新谷隼人氏、HARTi 代表取締役社長CEO 吉田勇也氏、ヘラルボニー 代表取締役社長 松田崇弥氏
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前段として、プラザクリエイトの新谷氏が「アートで企業する、アートで社会を変えると思った理由」を尋ねると、HARTiの吉田氏とヘラルボニーの松田氏は、それぞれ以下のように語った。
「アート×ビジネスなど多くの文脈で使われているが、弊社が創業した2019年ごろは関心の薄い領域。自分は広島県の田舎出身だが、街からコンテンツが消えていく様を見ていた。大学生時代にロンドンへ留学したところ、アートが多様な人種や宗教を結びつけるメディアだったのに、東京へ戻ると悶々(もんもん)としてしまった。美術館に足を運ばなければアートを目にすることもできない。ビジネス領域にもアートを取り入れたいとの理由から起業した」(吉田氏)
「障がい者のイメージを変えることにこだわりを持っている。たとえば丸を繰り返し描くなどルーチンワークの中で、知的障がい者だからこそ書ける世界があり、その構成部分を強めて発信したい」(松田氏)
1つ目のテーマである“アートの価値”について吉田氏は、「自分の価値を見つめ直す」、松田氏は「カテゴライズの解放」と書いたフリップカードを掲げた。
「アートの定義は幅広いが、本質的には自分の心。直感的に自分価値観を鏡のように映し出してくれる」(吉田氏)
「たとえば抽象画の雰囲気が好き、といったカテゴライズから解放させるのもアートの魅力」(松田氏)