本連載では、筆者が「気になるIT(技術、製品、サービス)」を取り上げ、その概要とともに気になるポイントを挙げてみたい。今回は、NECが提供する教育プログラム「NECアカデミー for Future Creation Design」を取り上げる。
NECが「サービスデザイン」の教育プログラムを開講
NECは先頃、デジタルトランスフォーメーション(DX)時代の到来を踏まえ、DX人材を育成するための「学び」と「実践」の場を提供する「NECアカデミー for Future Creation Design」を2021年7月に開講すると発表した。同アカデミーは、デザイン思考を活用した「サービスデザイン」のスキルやマインドセットを学ぶことが可能で、DXに取り組む企業の担当者を対象としている。
近年、DXの社会実装、活用が急速に進んで経済がデジタル化する中、世界的にDX人材の不足が大きな課題となっている。日本においても、2020年12月に経済産業省から「デジタルトランスフォーメーションの加速に向けた研究会の中間報告『DXレポート2』」が発表されており、日本のDX対応の後れへの懸念と、DX人材の必要性が報告されている。
NECはDX化に向けたビジネスデザインの方法論として、グローバルで実績があり、アムステルダムに本社を置くBusiness Modelsと連携して「NECのデザイン思考フレームワーク」を開発し、社内に展開してきた。同アカデミーでは、この方法論に含まれるプロセスやツールの活用方法、またツールを利用する上でのマインドセットを習得しながら、DXに向けた事業創造手法について実践を通して体系的に習得することができる。
具体的には、NECのデザイン思考専門家であるコンサルタントチームが、顧客企業のプロジェクトに参画し一緒に協働することで新事業開発や業務改革の手法が学べる「実践研修 コラボレーションコース」、顧客企業のDXに関する事業課題を題材として個別に設計した研修内容を基にNECのデザイン思考専門家であるコンサルタントチームがアドバイスをしながらプロジェクトを推進する「実践研修 コーチングコース」、NECのデザイン思考フレームワークのツールや活用方法を短期間で学べる「個別研修コース」の3コースを提供する。(図1)
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受講費用は、実践研修 コラボレーションコースが標準期間3カ月で2000万円から。実践研修 コーチングコースが同1.5カ月で700万円から。個別研修コース(入門編1日間/基礎編5日間)が入門編100万円、基礎編600万円から。今後3年間で1500人の受講を目指す構えだ。