Microsoftは米国時間6月24日に、次期バージョンの「Windows」を発表する予定だ。リークされたビルドの画像や動画とみられるものや、イベントに向けてMicrosoftが公開したティザー動画など、あらゆる証拠がこの新バージョンの名称が「Windows 11」であることを示しているようだ。
これまで「Windows 10」は、Windowsの最後のバージョンになると考えられてきたし、少なくともMicrosoftは、2015年にそういうメッセージを発している。これは、それ以降のアップデートが、それまでのような「ビッグバン」的なリリースではなく、段階的なものに限定されることを意味していた。
では、なぜ今になって新しいメジャーバージョンのWindowsが登場するのだろうか。
Windowsのアップグレードに関する歴史から得られた教訓
では、これまでの記憶を振り返ってみよう。Windows 10が登場する前は、OSが大きく変わる大規模なリリースが行われていた。そして新バージョンの登場は、アップグレードを強いられる消費者や企業にとっては大きな苦労が伴うものだった。例えばコンシューマー市場では、「Windows 95」「Windows 98」「Windows ME」が、今も使われている「Windows NT」のカーネルとシステムアーキテクチャーを採用した「Windows XP」にアップグレードされたことは、消費者にとって大きな出来事だった。
またその頃までのエンタープライズ市場では、「Windows NT 3.51」や「Windows NT 4.0」に移行していた業界も一部あったものの、ほとんどの企業はWindows 95/98から直接「Windows 2000」に移行して「Active Directory」を導入し(そしてデータセンターでは「LAN Manager」とNovellの「NetWare」からWindows NTに移行し)、その後Windows XPに移っている。これらの移行は、それぞれ別の多くの理由で、どれも企業にとって苦労を伴うものであり混乱の元だった。私たちはその後、「Windows Vista」のごたつき、「Windows 7」への移行、「Windows 8」のUXの不評を経験した。
波瀾万丈な20年だったと言っていいだろう。しかし、2015年の夏にWindows 10が登場してからは、多少の平穏が訪れた。そして数年前には、新機能が導入される段階的なアップグレードが供給されるペースが年2回に変更された。このやり方は、単なるバグ修正やサービスパックだけでなく、新機能を導入するためのパターンになった。
つまりMicrosoftは、新機能を数年に1度まとめて導入するのではなく、1年に2回、定期的に導入することにしたわけだ。この年2回の定期的なアップデートのおかげで、Windowsは最新の機能を備えた先端的なOSであり続けている。
では、Windows 11はどんなものになるのだろうか。Ed Bott氏の最新の記事を読む限りでは、ユーザーエクスペリエンスが新しくなるほか、Windows 11には「Windows 10の秋のアップデート」だと言っても構わない程度の変更内容しかない可能性もある。