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需要高まる自律型移動ロボット(AMR)、新たな相互運用標準で現場の運用を効率化へ

Greg Nichols (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2021-07-24 08:30

 かつて、急進的な新興IT企業の戦場だったロボティクス分野が発展の途につこうとしている。その前触れを示す最新の動きは、工場や倉庫、Eコマースの配送センター(FC)といった環境での統合/協働作業に利用できる自律型移動ロボット(AMR)を実現するために先進的ベンダーらが取り組んでいる一連の相互運用規格の登場だ。

 独立系の非営利組織であるMassRoboticsは最近、競合他社のロボットとの間であってもシームレスなやり取りを可能にするために「MassRobotics Autonomous Mobile Robot Interoperability Standard」を発表した。この規格の策定に当初から携わっている組織にはVecna Roboticsや6 River Systems、Waypoint Robotics、Locus Robotics、Seegrid、MiR、Autoguide Mobile Robots、Third Wave Automation、Open Source Robotics Foundation(OSRF)といったAMR分野でのリーダー組織すべてが含まれている。

 Vecna Roboticsの最高経営責任者(CEO)であり、MassRoboticsの共同創業者でもあるDaniel Theobald氏は、「MassRobotics AMR Interoperability Standardのバージョン1.0のリリースは業界にとって重要なマイルストーンだ」と述べ、「競争に先立つコラボレーションと、この分野の偉大なマインドを結集することでこそ、いかなるベンダーも単独ではなし得ないようなペースによる指数関数的な発展が可能になる」と続けた。

 これは要するに、「上げ潮はすべての船を持ち上げる」という考え方だ。この業界には常に、協力的な仲間意識に支えられた固い結束があるとともに、ロボティクス分野でさまざまな成果を上げている大学や名高い開発研究所にいる人たちによるエンジニアリング面での情報発信が数多く存在している。そして多くのロボティクス企業は、OSRFが主導しているオープンソースのRobot Operating System(ROS)を活用している。

 ただ、このようなコラボレーションは、Eコマースの台頭とそれに対応するための迅速な配送ニーズに端を発する自動化要求の急拡大という状況に支えられていところが大きいのも間違いない。LogisticsIQによると、世界のAMRおよび無人搬送車(AGV:Automated Guided Vehicle)市場は2026年までに140億ドル(約1兆5400億円)に達し、270を超えるベンダーが製造分野と物流分野をけん引していくという。また、2020年から2026年にかけて、AMRの導入は年平均成長率(CAGR)にしておよそ45%で成長していくという。

 こうした状況において、競合ベンダーが相互運用性を確立しようとするのは意味があるといえる。物流企業が、既存の運用停止を可能な限り抑えつつ統合できるという現在のAMRの柔軟性から生み出される恩恵を拡大、あるいは既に享受している中、買い手が特定の自動化メーカーにロックインされるというパラダイムはこの分野の成長可能性に制限を加えるものとなる。そうではなく、相互運用性を追求するというパラダイムによって、潜在顧客における自動化の道が切り開かれるとともに、自動化で競合する企業に複数の機会がもたらされる。このためA社のピックアンドプレース機を既に導入している倉庫がB社のAMRを購入しても、業務を統合することができる。こういった統合では、以前にはできなかったシステム間の情報共有が可能になるため、安全性が高まる。

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