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「IT予算は増やさないが、DXはやらないといけない」--リミニストリートがCFOに意識調査

渡邉利和

2021-08-03 09:04

 日本リミニストリートは7月29日、グローバルで実施した「CFO Survey」の結果に関するプレス向けオンライン説明会を開催した。調査は世界14カ国のCFO(財務担当責任者)1572人を対象に行われたもので、対象企業の規模は年間売上高が5億ドル(約550億円)以上の企業が88%を占める。

日本リミニストリート 代表取締役社長の脇阪順雄氏
日本リミニストリート 代表取締役社長の脇阪順雄氏

 同社 代表取締役社長の脇阪順雄氏は、グローバルの調査結果について「CFOはデジタルトランスフォーメーション(DX)に非常に積極的」「CFOは既存テクノロジー投資の最適化によって明確なビジネス価値と確実なROI(投資対効果)を見通せると感じている」「CFOはテクノロジー投資に対して短期間でのROIに期待している」「CFOとCIO(最高情報責任者)の強力なパートナーシップは成功への鍵である」といった結果分析を紹介し、この内容についてはおおむね想定通りとする一方、日本だけを抽出した結果の分析に関しては意外に思われる点も幾つかあったとした。

 日本に関しては、まず米国やグローバルとの比較でIT予算が増加しない傾向が指摘された。調査時点の2020年において、「2021年に向けてのテクノロジー分野への支出の変化」について聞いた結果、日本では「変化なし、または減少」と回答した率が32%だったのに対し、グローバルでは20%、米国では13%となっている。また、増加させるという回答についても「10%以上増」という回答が日本では8%にとどまるのに対し、グローバルでは19%、米国では29%となっており、日本のIT投資の消極性が際立つ結果となっている。

2021年のIT予算の見通し
2021年のIT予算の見通し

 一方で、DXの優先度についてはグローバル平均より高いという結果も出ているが、これはむしろグローバル平均に比べてDXの進展度合いが遅れていることの反映である可能性もありそうだ。DXについて肯定的に捉えるCFOの比率がグローバル/米国とほぼ同様なのに対し、リスクだと懸念を示す率がやや高い(日本:22%、グローバル:15%、米国:18%)点からもうかがえる。また、IT投資の支出増の要因として日本では「現状を維持する方にコストがかかるため、予算を増やす必要がある」との回答が23%と突出して高い(グローバル:10%、米国:7%)。

 これらを考え合わせると、日本のCFOは「DXはやらなくてはいけないと思っている一方、IT予算は増やさないという矛盾した結果になっている」(脇阪氏)という。現状維持のためのコストが突出して高いことからも、DXがかけ声倒れに終わっており、そのための予算を捻出する余力がないという現状が見えてくるようだ。

 同社は第三者保守の提供で成長した企業であり、日本企業の課題である既存システムの現状維持のためのコストが高額になっている結果、新しい成長分野に予算を投じる余裕がない、という点を解決するために有用なサービスを提供する。

 一方で、エンタープライズアプリケーションが急速にクラウド化/SaaS化している現状からはサポートコストを取り巻く環境が急速に変化しつつあるため、それに対応するための事業ポートフォリオの拡充が急務となるだろう。同社では現在、「ITの最適化とコスト削減」のための6つのソリューションを提供しているが、こうした取り組みもその一環と見ることができそうだ。

調査結果から得られた日本に関する分析
調査結果から得られた日本に関する分析

 なお、同社のポリシーとして脇阪氏は、「サポート業務を従量制でやってはいけない」と語っていたのが印象的だった。一般的に、チケット制などを使ってサポートを従量制の体系で提供する例が多いが、同氏はこうした体制では「システムが安定しない方がサポートから得られる利益が増えることになる」と指摘し、こうした体制ではシステムの安定稼働を目指すというモチベーションが生じないため、ユーザーにとって不利益になるという。同社のサポートは従量制を取らないため、システムを安定稼働させてサポートの回数を減らす方がメリットがある形になるので、これがユーザーメリットにもつながるという。

 DXに取り組む必要性は理解しているものの現状ではそのための予算確保が困難だと考えている企業は少なくないと思われるが、既存システムの維持コストを削減して新規分野への投資を拡大するために今回の調査結果や同社のサービスの考え方が参考になるかもしれない。

リミニストリートの現在のサービスポートフォリオ
リミニストリートの現在のサービスポートフォリオ

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