SAS Institute(SAS)は、KPMGとAssociation of Certified Anti-Money Laundering Specialists(ACAMS)と共同で、マネーロンダリング対策(AML)テクノロジーに関する調査を実施し、結果を発表した。
これによると、新型コロナウイルス感染症への対応で、金融機関の3分の1がAMLテクノロジー向けに人工知能(AI)と機械学習(ML)の導入を加速させている。その一方で、別の39%のコンプライアンス専門家は、AI/MLの導入計画はコロナ禍に関係なく継続すると回答した。
この調査は世界の850人以上のACAMSメンバーのインサイトを基にしたもので、ACAMSは各メンバーの雇用組織がマネーロンダリングの検出にテクノロジーを利用しているかについて尋ねた。マネーロンダリングの調査範囲は、毎年世界のGDPの2〜5%(8000億〜2兆ドル)の範囲であると推定している。
その他の回答として、回答者の57%がAMLコンプライアンスプロセスにAI/MLを導入している、AIソリューションを試験的に導入している、または今後12〜18カ月以内に導入する予定であると答えた。
また回答者の66%が、規制当局はAIや機械学習の活用を金融機関に望んでいるとした。さらに、資産規模10億ドル以上の大手金融機関の28%は自分たちがAIテクノロジーのイノベーターであり、アーリーアダプターであると考えている一方、企業価値10億ドル未満の中小規模金融機関の16%も同様に考えているという。
回答者によると、AIやML導入の主な要因は、調査と規制当局への提出書類の品質を向上させる(40%)、 誤判定を減らしてそれに伴う運用コストを削減する(38%)という2つが挙がっているという。
SASはAIやMLテクノロジーについて、市場の変化や新たなリスクに適応できるダイナミックな性質を持っており、最小の中断で既存のコンプライアンスプログラムに迅速に統合できるとしている。