インターネットイニシアティブ(IIJ)は、同社の千葉・白井データセンターキャンパス(白井DCC)の敷地内にマイクロデータセンター(MDC)を屋外設置し、エッジコンピューティング基盤として実用化するための技術検証を行う実証実験を開始した。
実際の設置写真
実証実験のイメージ
実施期間は11月までを予定している。屋外環境に設置したMDCの設備的な性能、自律運転シナリオの検証を行うとともに、白井DCC内のデータセンターインフラ管理システム(DCIM)から遠隔で監視・運用の検証も実施する。
今回設置するMDCは、オーストラリアのZella DC製で、日本では初導入となる。12Uタイプ(幅68.5センチ・奥行110センチ・高さ100センチ)の屋外設置モデルで、データセンターに必要なサーバー冷却用空調ユニット、無停電電源装置、環境センサー、セキュリティカメラ、物理セキュリティ(遠隔操作可能な電子錠など)を備え、防水・防塵、遮音により場所を選ばず設置できるという。
IIJによるとMDCは、IoT機器や生産現場を自動化するファクトリーオートメーション(FA)機器などのエッジデバイスと物理的に近い場所に設置して、超低遅延が求められるデータ処理や、セキュリティ上の制約がある環境でのエッジコンピューティング基盤として利用されることが考えられるという。また、ユーザー拠点に設置することで、オンプレミスの小規模マシンルームとしての利用も期待される。
IIJでは実証実験を進め、顧客がMDCを活用して自社でエッジコンピューティング環境を短期間で容易に構築、運用できるソリューションを開発し、2021年度中に提供開始する予定としている。