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今週の明言

IIJ社長が強調した「マルチクラウドベンダーとしての役割」とは

松岡功

2021-08-20 12:09

 本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉を幾つか取り上げ、その意味や背景などを解説している。

 今回は、IIJ 代表取締役社長の勝栄二郎氏と、日本オラクル 執行役員クラウド・アプリケーション事業統括の善浪広行氏の発言を紹介する。

「私たちにはマルチクラウドベンダーとしての役割が強く求められている」
(IIJ 代表取締役社長の勝栄二郎氏)

IIJ 代表取締役社長の勝栄二郎氏
IIJ 代表取締役社長の勝栄二郎氏

 インターネットイニシアティブ(IIJ)は先頃、2021年度(2022年3月期)第1四半期(2021年4〜6月)の決算を発表した。勝氏の冒頭の発言はオンラインで開いたその発表会見の質疑応答で、クラウド事業の最近の状況について聞いた筆者の質問に答えたものである。

 IIJの同四半期の連結業績は、売上収益(売上高に相当)が前年同期比5.2%増の529億7000万円、営業利益が同113.0%増(2.13倍)と、増収増益だった。勝氏はこの結果について、「好調に推移した。コロナ禍でリモートワークが増えたことなどが要因だが、その背景としてデジタルトランスフォーメーション(DX)が進展してインターネットが一段と活用されるようになってきたことを実感している」との見方を示した(図1)。

図1:2021年度(2022年3月期)第1四半期(2021年4〜6月)の決算の総括(出典:IIJ)
図1:2021年度(2022年3月期)第1四半期(2021年4〜6月)の決算の総括(出典:IIJ)

 同社の業績で注目されるのは、同四半期で売上収益の85.8%を占めるストックビジネスが着実に積み上がってきており、強固な財務基盤を築いていることだ。同社のストックビジネスは創業以来のインターネット接続サービスが中心だが、ここ数年はクラウド事業にも注力している。同事業の2020年度通年の売り上げ規模は262億円で、前年度比11.1%を記録。2021年度第1四半期も66億8000万円と、「前年度の好調な売り上げの推移を維持している」(勝氏)とのことだ。

 同社のクラウド事業の主力サービスは、2015年11月に提供開始した「IIJ GIOインフラストラクチャーP2」(IIJ GIO P2)。これは、パブリッククラウドとプライベートクラウドのメリットを併せ持った形の「ホステッドプライベートクラウドサービス」である。

 会見で質疑応答の機会があったので、クラウド事業の最近の状況について聞いたところ、勝氏は「クラウド事業については注目している動きが2つある」として、次のように答えた。

 「1つは、多くのお客さまにおいてマルチクラウド利用のニーズが高まってきており、複数のクラウドサービスをスムーズに連携したり、それらを統合的に運用したりできるようにしてほしいという要望を相当頂いている。その意味では、当社にマルチクラウドベンダーの役割が求められていると、このところ強く感じている」

 冒頭の発言はこのコメントから抜粋したものである。さらに、こう続けた。

 「もう1つは、パブリッククラウドサービスの市場競争は日本でも外資系ベンダーが高いシェアを占めている状況になってしまっているが、当社は国産のクラウドサービスベンダーとして引き続き注力している。そのメリットを今後必ず生かしていけると確信している」

 そのメリットが、今後マルチクラウドベンダーとしての役割に生きてくるのかもしれない。クラウド事業に対する勝氏の思い入れを感じたコメントだった。

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