Ridgelinezは、大型文化複合施設「ところざわサクラタウン」での電子通貨決済の実証実験に対し、ブロックチェーンの技術を用いた独自システムを提供した。同実証は、埼玉りそな銀行と富士通、KADOKAWAの3社が実施するもので、電子コインである「サクラタウンコイン」を用いて電子通貨決済を行う。2022年4月10日まで行われる。
Ridgelinezが提供したシステムは、数字で価値を表現するFungible Token(FT)と、画像や音声などのデジタルデータに、その作成者や所有者といった属性を付与できるNon-fungible Token(NFT)のそれぞれの特徴を併せ持っている。ブロックチェーンによって金額的価値だけではなくデジタルデータや所有者などの明示することが可能で、加えて、デジタルデータや所有者などの属性の改ざんを防ぐことができる。
実験開始時、電子コインは「ところざわサクラタウン」内の書店「ダ・ヴィンチストア」での買い物に利用できる。今後は取り扱いを希望する敷地内の他施設や周辺施設へ順次拡大する予定。サクラタウンコインで利用されるシステムは、ユーザーからの要望に応じて機能拡張などを行うことも想定している。
実証実験の概要(出典:Ridgelinez)
各社の役割(出典:Ridgelinez)
サクラタウンコインで利用される電子コインには、NFTの仕組みを用いるため、人気キャラクターである「ケロロ軍曹」のほか、「コバトン」(埼玉県マスコット)や「トコろん」(所沢市イメージマスコット)、「りそにゃ」(りそなグループのコミュニケーションキャラクター)などのイラストが描かれている。
さらにFTの仕組みを利用して通貨としての価値を付与しているため、買い物に利用できる。また一般的な電子マネーとは異なり、今回の実証実験の電子コインによる商品の売買には「おつりの概念」がある。これにより、どのようなコインがおつりとして返ってくるのかといった楽しみも生み出しているという。