Sansanは11月10日、オンラインイベント「Sansan Innovation Summit 2021」を開催。人材派遣や人材紹介などを手掛けるエヌエフエー(東京都大田区)代表取締役 大崎玄長氏が登壇して「年商5倍を実現したDXの軌跡~Sansan徹底活用のホップ・ステップ・ジャンプ~」と題して講演した。名刺管理サービス「Sansan」で「SFA(セールスフォースオートメーション)が可能になった」という。
「スキャンするのが楽しい。名刺を集めたくなる」
エヌエフエーは2017年3月にSansanを導入している。導入以前は営業担当3人、名刺は7000枚超を数え、各担当者が表計算ソフトに手動で入力していた。そのため、「入力ミスや遅れで、営業リストの作成や年賀状を送るのも一苦労」だったと大崎氏は振り返る。導入後4年目となる2021年には営業担当も5人に増員し、名刺枚数も1万3000以上に達していた。
エヌエフエー 代表取締役 大崎玄長(おおさき・もとなが)氏
だが、対応スキャナーを用意することで名刺を一元管理することで「『名刺をスキャンするのが楽しい。名刺を集めたくなる』という社員も現れ」(大崎氏)、名刺交換数は32%も増加したと説明する。
大崎氏は、Sansanに搭載されている、未接触のキーマン情報をツリー状に表示する「組織ツリー」機能を評価し、「深耕営業活動そのもの。弊社の営業は加速した」と述べている。名刺交換した相手の名前をさりげなくスマートフォンで確認し、訪問前の予習や訪問後の記録も有用だったという。
年商5倍の機縁になったのはSansanのユーザーサポート部門だった。当初は年商2億7000万円だったエヌエフエーを17億8900万円に押し上げたのは、Sansanの「案件管理」機能だと説明する。案件の進捗や現状を確認するための案件管理を営業活動の可視化に使用して「セールスステップを完成」(大崎氏)させた。
同社は人材派遣業のため、顧客となる派遣先企業に対して営業的分類を「接触のみ」「新規営業」「配属定着」「継続拡大」「復活営業」「協力団体」と6段階に区分けしている。派遣社員に対する対応を含めると7段階に拡大するが、各部類をSansanの案件管理に登録し、既存顧客との取引を終了させないように異常値を監視して、対策を講じて実行。新規顧客に対しても効果性を鑑みながら対策を講じている。
統計データを出力する機能も営業会議時に活用中だ。大崎氏は「操作性の良さや自動作成の便利さ、入力の負荷もかけずにSansanソリューションの運用が定着した」と高く評価している。
エヌエフエーの年商推移
同社は今後、習熟作業者派遣組織(Professional Employer Organization:PEO)構築を目指している。PEOは経済の発展と雇用の安定化に寄与し、米国などで普及しつつあるという。大崎氏は「もう終身雇用は日本でもたないのではないか、とささやかれている。これからの日本で必ず必要となるモデルだ。さらに皆さまの企業でも役立つ人材確保のモデルでもある」と今後の展望を語った。