パーソルキャリアが、業界最大級という転職サービス「doda」の基幹となるデータベースをOracleのクラウドサービスやアプライアンスサービスで2022年10月までに段階的にハイブリッドクラウド化させる。日本オラクルが11月17日に発表した。
2021年10月現在でdodaの累計登録者は654万人に上るという。データベースについては、本番環境にオンプレミスの「Oracle Exadata」、開発と性能検証の環境には「Oracle Exadata Cloud@Customer」を用いていたという。転職サイトや代理人による転職支援サービス、転職イベントなどの事業が拡大している中でシステム更改のタイミングとなり、将来的な事業の拡大や変化への柔軟な対応とコスト最適化を目的に据えてハイブリッドクラウド構成を選択した。
ただ、同社にとってdodaのデータベースは、ミッションクリティカルかつ大規模であるとし、初の試みになることから、本番環境をクラウドで運用する体制やノウハウを蓄積しつつ段階的にクラウド化する意向があった。そこで今回は、移行の第1フェーズとして、開発環境として利用していたOracle Exadata Cloud@Customerを本番環境に変更し、災害対策(DR)環境に「Oracle Exadata Cloud Service」、開発検証環境にOracle Exadata Cloud Serviceと「Oracle Database Cloud」を採用する構成とした。
第1フェーズの構成は既に稼働しており、日本オラクルによれば、ハードウェア性能の向上とSQLのチューニングで、従前システム比でリソースを20%削減しつつ同等以上の性能を確保したとのこと。利用感も従前と同じながら、応答時間や遅延などの月次問い合せ件数は減少しているとする。DR環境も平常時のリソースが8分の1に減り、必要な時に無停止でリソースを増減できるようにして、コストを平準化した。開発環境は従量課金として効率化を図ったという。なお導入、構築、データ移行、運用支援などはアシストが担当している。
パーソルキャリアは、さらに移行の第2フェーズとして、Oracle Cloudサービスの東京および大阪リージョンから提供されるOracle Exadata Cloud Serviceに本番環境を移行させる予定。現在はこの検証を進めており、2022年10月の完了目標としている。