エンタープライズテクノロジーは万華鏡のようだ。寄せ集められたテクノロジーは新旧入り混じっており、絶え間なく変化している。そして、こうしたテクノロジーはビルドやサポートが必要となっている。現在でもメインフレーム上でCOBOLプログラムを実行しており、担当者不足という悩みを明らかにしている企業が数多くあるというのは、さまざまな文献に記されている通りだ。また、「FoxPro」といったシステムを実行している企業や、RPGベースのアプリケーションを運用している企業さえ存在している。そして、そのようなIT環境に今ではクラウドや、人工知能(AI)ベースのアルゴリズムが重層的に導入されている。こうした企業では、システムを維持していくためにさまざまなITスキルが必要となる。しかも、それぞれの企業によってどういったスキルが必要とされるのかは異なっている。歴史の長い企業はインフラ移行に対する支援を必要としている一方、デジタルネイティブな企業はAIを武器にしてまい進している。
提供:Joe McKendrick
Amazon Web Services(AWS)のラーニングプロダクト担当ディレクターであるScott Barneson氏は、当然ながらクラウドスキルに対するニーズを目にしている。ただ同氏は、必要とされているスキルの中でクラウドが重要な部分を占めるとはいえ、同じ会社は2つとないと指摘している。同氏は最近、ITマネージャーやITプロフェッショナルが2020年代に進んでいくべき方向についての知見を筆者に披露してくれたので、以下に紹介する。
——今日のITプロフェッショナルが培っていくべきスキルとはどういったものでしょうか?
必要とされているスキルは多くの場合、従業員自身の役割だけでなく、企業や職場のタイプとも密接に関係しています。例を挙げると、多くの新興IT企業はクラウドネイティブであるため、データ科学や機械学習(ML)に造詣が深い開発者を求めるでしょう。また、ある程度規模の大きい企業でクラウドを採用しているところは、同分野のスキルを有した人材だけでなく、新システムのオンボーディングを支援できるとともに、事業の拡大を後押しするためにシステムインテグレーターと協力できるよう、統合や移行に関する専門性を有した人材も必要とするはずです。