調査

Kubernetesとコンテナーの利用が急速に広まる--CNCF調査

Steven J. Vaughan-Nichols (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2022-02-18 08:30

 「Docker」がまだ目新しかった数年前にも、いずれはコンテナー技術が重要な存在になると考える人は多かったが、それほど確信があったわけではなかった。しかし2022年になった現在、そのことに疑問の余地はなくなっている。Dockerはコンテナー革命を引き起こし、コンピューティングのあり方を一変させた。Gartnerは、2023年中には世界の企業の70%が2つ以上のコンテナー化されたアプリケーションを本番環境で利用するようになると予想している。これはおそらく間違ってはいないだろう。最近公開されたCloud Native Computing Foundation(CNCF)の調査レポート「CNCF Annual Survey 2021」では、現在最もよく使用されているコンテナーオーケストレーションソフトウェアである「Kubernetes」の普及が急速に進んでいることが明らかになった。調査対象となった企業の96%がこの技術を使用しているか、使用を検討しているという。

 この技術が誕生から8年も経っていないことを考えれば、素晴らしい結果だと言えるだろう。

 調査では、他にも次のようなことが明らかになった。

  • コンテナーの導入とKubernetesの利用が一般的になっており、特に大企業で普及が進んでいる。ソフトウェア開発コミュニティの分析を専門とする調査会社SlashDataによれば、世界で560万人の開発者がKubernetesを利用しているが、これはバックエンド開発者全体の31%に相当する。
  • Kubernetesは「舞台裏」の技術になりつつある。別の言い方をすれば、Kubernetesを本番環境で利用する企業は、マネージドサービスやパッケージ化されたプラットフォームを利用しているケースが増えているということだ。クラウド監視サービスを提供しているDatadogによれば、Kubernetesユーザーの90%近くがクラウドマネージドサービスを利用しており、2020年の70%弱よりも大幅に増えた。
  • 企業はスタックの上層の技術を利用するようになっており、監視や通信などのより高度な課題に取り組むために、まだ成熟が進んでいないプロジェクトを導入する企業が増えた。コンテナー監視サービスを提供しているNew Relicは、2021年後半の6カ月間で、オープンソースの時系列分析監視ツールである「Prometheus」の導入事例が43%増加したと指摘している。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

自社にとって最大のセキュリティ脅威は何ですか

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]