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第6回:「個を生かす時代」の鍵は“個別化された支援”--HRデータを活用

齊藤直子(カオナビHRテクノロジー総研 研究員)

2022-03-15 07:00

はじめに

 本連載は、コロナ禍で注目が集まったHR(人材)トピックスを取り上げ、働く現場の変化を捉えることで、読者の皆さんの業務やキャリア形成に生かせる見通しを提供することを目指し、今回で最終回を迎えます。これまでトピックスとして「リモートワーク」「健康経営」「ジョブ型人事制度」を取り上げてきました。これらのトピックスは、一見するとコロナ禍による一過性の流行のようですが、そうではないということを示してきました。

 これらの盛り上がりの背景には、さまざまな思惑が交錯しています。しかしながら、どのトピックにも「国内の生産年齢人口の減少」や「一部の職種のニーズの高まり」という背景が共通しています。「希少な個人を採用し、高いパフォーマンスを上げ続けてほしい」あるいは「個人の才能を生かし、パフォーマンスを最大限発揮してほしい」といった「個を生かしたい」という思いは、建前ではなく各企業が切実に必要性を感じているでしょう。

多様な個を生かすには?

 しかし、個を生かすという課題を簡単に解決できる施策はありません。また生産年齢人口の減少により、「個人のパフォーマンスの最大限の引き上げ」と同時に、「これまで活躍を促し切れていなかった人材の活用」も要請されています。具体的に活用が要請されるのは、子育てや介護といった家庭内のケアを担っている人、外国籍・外国語話者の人、病気や障がいのある人など、枚挙にいとまがありませんが、一つ言えるのは「働く人の属性や働き方の多様化は進展する一方だ」ということです。

 多様化の波の中、マネージャーは以下のようなことを経験するかもしれません。

  • これまでの部下は昇格を目標にすることでモチベーションが湧いたが、最近の部下はそうでもない様子。聞いてみると、「ワークライフバランスが大事」という人もいれば、「社会への貢献実感を得たい」という人もおり、バラバラである
  • ある部下に大きな仕事を任せるとやる気を出したが、違う部下には「こんな大きなことを任せられるのは不安だ」と言われてしまった。不安を感じる部下には細かく進ちょく報告をしてもらうことでうまくいき始めたが、別の部下にも同じようにしたところ、今度は「上司がマイクロマネジメントすぎる」と360度評価で書かれてしまった
  • 良い機会だと思い、学習意欲の高い部下に研修の受講を勧めたが、浮かない表情をしていた。実はその部下は「自分に専門性が身に付いていないのではないか」と悩んでおり、「その研修では専門性は身に付かない」と感じていた
  • 働き方改革のもと、勤務時間の自由度が高まった。部下Aは保育園に通う子供がいるため、時短勤務をしている。部下Bは夜型の生活パターンの方がしっくりくるとのことで、昼頃出勤して代わりに夜は長く勤務している。日中、マネージャーの自分に急な依頼が入ると、勤務している時間帯が同じ部下Cに頼むことが多いが、本人は嫌な顔をしないし、何より本人の成長につながると思っていた。なのに、部下Cに「転職します」と言われてしまった

 これらは「例えば」の話ですが、画一的なマネジメントが通用しない、あるいは部下に良かれと思って実施した支援は的が外れていた、ということが起こりやすくなります。裏を返せば、多様化する個人に合わせて「個別化された支援」を提供することがマネージャーの役割になる、ということです。

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