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「デジタルの民主化」はDX成功への重要なカギ--ドリーム・アーツの石田CTO

藤本和彦 (編集部)

2022-03-17 07:00

約6割の企業が「市民開発」への取り組みを開始

 ドリーム・アーツが2月に発表した調査結果によると、事業部門の従業員が自らの手でアプリケーションを開発する「市民開発」を推進している企業は57%に上ったほか、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する企業の49.2%がプログラムのソースコードを極力記述せずにシステムを開発できる「ノーコード/ローコード」ツールを導入または検討していることが明らかになった。

 ドリーム・アーツでは、市民開発の現状と課題を把握するため、従業員数1000人以上の企業に所属していて自社のDX推進を把握し、かつ「市民開発」やノーコード/ローコードツールを知っている従業員1000人を対象にインターネットによるアンケート調査を実施(期間は2022年1月18~20日)。

 市民開発の具体的な成果として、45%が「事業部門が自らデジタル化(内製化)したシステムやアプリケーションがある」と回答。市民開発の取り組みを実施している企業ではその割合がさらに高く、72%が既に何らかの内製化によるシステムやアプリを運用していることが分かった。

 市民開発を始めることになった理由については、1位が「自部門が求めるものを作成できる」(226人)、2位は「コストダウン」(152人)、3位は「IT部門のリソースが足りない」(107人)という結果で、ポジティブな理由が半数を占めた。

ドリーム・アーツ 取締役執行役員で最高技術責任者(CTO)の石田健亮氏
ドリーム・アーツ 取締役執行役員で最高技術責任者(CTO)の石田健亮氏

デジタルの民主化がDX成功への重要なカギ

 ドリーム・アーツ 取締役執行役員で最高技術責任者(CTO)の石田健亮氏は、「“デジタルの民主化”を推進するには、体験から文化を作っていく必要がある。まずは事業部門がデジタル化することで、その体験が全社に広まっていき、会社全体のデジタルリテラシーが向上するとともに、従業員の変革マインドも浸透していく。これがDXを成功に導くための重要なカギになると考えている」と語る。

 ここ数年、同社の掲げるデジタルの民主化に賛同し、それを体現しているユーザー企業も増えてきたという。その1社である常石造船では、 ワークフローシステムや業務アプリ作成ツールなどさまざまなシステムを調査した結果、製造図面の仕様検討のやりとりや図面管理をまとめてデジタル化できる点を評価し、大企業の業務デジタル化を支援するクラウドサービス「SmartDB」を採用。SmartDBのワークフロー機能によりタスクの進行状況を可視化できるようになり、これまで以上に納期順守を徹底できるようになる。

 また、データベース機能により登録データは緻密に権限管理され、どのデータが最新であるかが明確になる。検索機能では蓄積されたデータから必要なデータを容易に発見できるようになった。これらの効果により、コア業務以外の業務(サブ業務)にかかる作業時間を大幅に削減できる見込み。

 常石造船では、SmartDBの導入に関して十分な検証作業を進めた上で導入効果を試算しており、造船会社にとって重要度の高い設計作業で年間1万9000時間の削減を見込んでいる。

IT部門は事業を後押しするアクセルの役割

 調査では、事業部門が自ら開発することの課題についても聞いている。それによると、「業務負荷がかかる」「リソースの不足」と回答した人が上位になり(それぞれ441人、401人)、続いて「品質のバラつき」(283人)、「システムが乱立、個別最適化されてしまう」(274人)という結果だった。

 市民開発を推進する上で、業務負荷やリソース不足という課題に次ぎ、品質のバラつき、システムの乱立・個別最適が課題となっているという。

 システム/アプリの管理については、74%が「IT部門が管理すべき」と回答。IT部門と事業部門のどちらも同様の傾向が見られ、事業部門側も自ら開発したシステムの管理をIT部門に委ねたいと考えていることが分かった。市民開発を推進する上で、システム/アプリの乱立が懸念されるも、事業部門やIT部門双方にとって、IT部門の役割が重要視されていることが分かった。

 これについて石田氏は、近年のIT部門は事業のブレーキ役になってしまっていたが、これからは事業を後押しするアクセルの役割を担う必要があるとし、最も業務に精通している事業部門が自らデジタルを活用できれば、今までにないスピードで業務のデジタライゼーションを推進できる、と強調した。

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