Microsoftは米国時間3月16日、パートナープログラムに変更を加え、クラウドサービスを一層前面に押し出すことを発表した。
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Microsoftによると、現在のパートナープログラム「Microsoft Partner Network」は、世界の40万を超える組織で構成されている。パートナーは、特に大型顧客が関わる場合はMicrosoftと競合する側面もあるかもしれないが、同社の主要な営業部隊のような役割を果たしている。
Microsoftは16日、パートナープログラムの名称を、2022年10月よりMicrosoft Partner Networkから「Microsoft Cloud Partner Program」へと変更することを明らかにした。また、パートナーの認定、資格、スコアも、同社の言う「Microsoft Partner Networkの15年ぶりの重大変更」の一環で変わることになる。
Microsoftがパートナープログラムで変更を発表しなかった部分の1つは、現在進められている「New Commerce Experience(NCE)」への移行に関する内容だ。
発表されたパートナープログラムの変更は、要するにクラウドの表看板として統一した形で掲げようというものだ。Microsoftのパートナープログラムは、コンピテンシーに基づくモデルが中心となっている。新しいプログラムでは、「Microsoft Cloud」に合わせて6つのソリューション分野におけるパートナーの熟練度が重視される。Microsoft Cloudは、Microsoftがかつてコマーシャルクラウドと呼んでいたものだ。これには、「Microsoft 365」/「Office 365」「Azure」「Dynamics 365」や、その他のクラウドベースのMicrosoftのビジネスサービスが含まれている。6のソリューション分野は、「データ&AI(Azure)」「インフラストラクチャー(Azure)」「デジタル&アプリイノベーション(Azure)」「ビジネスアプリケーション」「モダンワーク」「セキュリティ」だ。
新しいプログラムでは、基本となる「メンバー」の地位に、「Silverコンピテンシー」「Goldコンピテンシー」や「高度な専門性」がプラスされるシステムはなくなる。コンピテンシーは徐々に廃止され、「ソリューションパートナー」と「スペシャリスト/エキスパート」という資格レベルが導入される。パートナーのスコアは新しい能力スコアに移行する。現行のパートナー貢献度指標(PCI)は廃止されるようだ。
一方、Microsoftは、現在実装が進められているNCEの取り組みに関して、新しい情報を示していない。
Microsoftは、パートナーによる製品のライセンスと顧客の製品購入の方法を簡素化するNCEモデルを導入し、「Microsoft 365」「Dynamics 365」「Windows 365」「Power Platform」を対象に適用しようとしている。NCEでは、パートナー、ディストリビューター、エンドユーザーは基本的に月間契約ではなく年間契約を結ぶことが求められ、期間の延長は可能だが短縮はできないとされている。顧客が廃業すれば、パートナーは顧客が購入に同意したMicrosoftライセンスの責任を負わされてしまう可能性があるとの声が上がっている。
筆者が耳にしているうわさによると、NCEに対する不満の声をMicrosoftは把握しており、数カ月以内にプログラムが修正される可能性もあるという。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。