伊藤忠商事は、紙帳票取引の業務改革の一環として、ABBYYのAI-OCR(AI技術を組み合わせた光学文字認識)を導入した。ABBYYジャパンが5月31日に発表した。
伊藤忠商事では、各カンパニーが異なる分野でビジネスをする中、全社規模でデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進している。各カンパニーの共通する業務については、ロボティックプロセスオートメーション(RPA)を使ったDX基盤を通じて業務の効率化を図っている。
一方で、紙の帳票での取引が多い受発注業務は、RPAだけでは効率化が難しく、AI-OCRの導入を決定した。AI-OCRとRPAと組み合わせることで、業務全体にかかる時間を年間4万9000時間削減することに成功したという。ABBYYのAI-OCRについては、読み取り精度が高く、簡単な固定帳票から複雑な非定型帳票まで対応可能な点が評価された。また、クラウドだけでなくオンプレミスに対応している点もセキュリティの観点から運用しやすく、導入の決め手となった。
受発注や貿易関連業務で生産性が向上したことから、今後は他部門の決算書分析業務などでも工数を削減するなど、多くの領域でAI-OCRを活用する予定だ。