Google Cloudは米国時間6月2日、「Google Distributed Cloud Hosted」のアップデートを発表した。顧客は自社データセンター内で直接、人工知能(AI)、機械学習(ML)、データベースの機能の一部を使用できるようになるという。
提供:Google
同社は2021年10月に、「Google Distributed Cloud」ポートフォリオとそれに含まれるGoogle Distributed Cloud Hostedと「Google Distributed Cloud Edge」の2つのサービスを発表した。Distributed Cloud Hostedの新しいAIやデータベースの機能は、1年以内に利用可能になるという。
同社はブログで、AI、ML、データベース製品により、顧客はサービスを素早く容易に展開し、非構造化データと構造化データの両方を使い、貴重な洞察を得られるようになると説明している。Google Distributed Cloudに、AIとデータベースのソリューションを統合すると、データが生成、消費される場所に近接していることから、リアルタイムのデータ知見をかつてないレベルで活用できるという。
Googleのクラウドポートフォリオへの投資は、クラウド企業がいかにデータを追いかけているかを浮き彫りにしている。ネットワークエッジから社内データセンターまで、顧客の倉庫や小売店の内部まで追っている。dbInsightのTony Baer氏が指摘しているように、Google Distributed Cloudは、「AWS Outposts」「AWS Wavelength」「Oracle Cloud@Customer」「IBM Cloud Satellite」「HPE GreenLake」など、ほかのプロバイダーが提供するハイブリッドクラウドに相当するサービスだ。
こうしたハイブリッドクラウドは、専用施設外に持ち出すことができない機密性の高いワークロードを持つ顧客や、データレジデンシーの要件がある顧客、そして超低遅延が必要な顧客にとって、とりわけ重要なサービスとなる。
しかし、オンプレミスのサービスの場合、その能力は自ずと知れている。Google Distributed Cloud Hostedでは、「Vertex AI」の翻訳API、音声テキスト変換、光学文字認識といったサービスが利用可能になる。同社は2021年、データ科学者やMLエンジニアがMLプロジェクトを構築、展開、管理できるように、Vertex AIプラットフォームをリリースした。
Google Distributed Cloudポートフォリオで利用可能になるAI、ML、データベース製品により、顧客は自社のデータセンターの自主権と管理を完全に維持したまま、クラウドサービスにおけるGoogleの最新の技術革新を活用できるようになるとしている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。