世界第4位の半導体製造企業GlobalFoundries(GF)が、Googleによるオープンソースのチップ開発プロジェクトに参加した。Googleは、オープンソースモデルがファウンドリーにとって実現可能であることを証明しようと、2年がかりで取り組んでいる。
提供:Golubovy
Googleは、新興企業や学術機関によるオープンソースプロジェクトや、カスタムシリコンを低コストで製造するための選択肢をファウンドリーと提供し、オープンソースハードウェアの活発なエコシステムを構築したいと考えている。
同社のHardware ToolchainsチームのJohan Euphrosine氏とEthan Mahintorabi氏は、「この新しい提携関係は、ファウンドリーのエコシステム市場における大きなマイルストーンだ」と強調した。
GoogleとGFは、GFの180nmプロセスMCUプラットフォーム「GF180MCU」のプロセス設計キット(PDK)を、Apache License 2.0に基づいて公開した。GF180MCUのオープンソースPDKはGitHubでアルファリリース、つまり「試験的」プレビューとして提供されている。GoogleはGF 180nm技術プラットフォームにより、オープンソースチップの設計者が、低価格で大量に生産し、より多くの電圧オプションを利用できるようになると述べている。
GFによると、180nmシリコンを使用するアプリケーションのウエハー生産能力は全世界で年間1600万枚以上で、2026年には2200万枚を超えると予想されている。ファウンドリーにとっては、モバイルのほか、IoTや自動車が高成長市場になる見通しだ。
Googleは、オープンソースモデルがファウンドリーエコシステムにとって有効であることを証明すべく、SkyWater Technologyおよび Efabless Corporationとも協業しており、今回のGFとの提携は、それを拡大するものになる。
同社によると、このプログラムはすでに、SkyWaterのマルチプロジェクトウエハー(MPW)シャトルを6回支援しており、提出された350件の設計案のうち、240件が無償で製造されたという。またGF180MCUは、Efablessプラットフォームで製造されることになる。
「今回のオープンソースPDKは、GFとの提携関係における最初の成果だ。GFの大規模で幅広い技術と製造の専門知識を活用して、半導体の開発・製造におけるアクセスとイノベーションを推進するために今後さらに協力していく」と、Euphrosine氏とMahintorabi氏は語った。
両氏はさらに、「GFとGoogleの協業は、高成長分野でアプリケーションやチップを設計するエンジニアのイノベーションを後押しし、ファウンドリーエコシステムにおけるオープンソースモデルの実現性を明確に示すものだ」とつけ加えた。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。