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TXOne、日本市場への本格参入と事業戦略を発表--OTセキュリティ分野をけん引

寺島菜央 (編集部)

2022-08-10 12:40

 TXOne Networks Japan(TXOne Japan)は8月9日、国内における初の記者説明会を開催し、日本市場への本格参入と事業戦略を発表した。説明会には、TXOne Networks(TXOne)の最高経営責任者(CEO)Terence Liu(テレンス・リュウ)氏と、6月1日にTXOne Japanの代表執行役員社長に着任した近藤禎夫氏が登壇した。

会見に登壇した代表執行役員社長 近藤禎夫氏(左)とCEO テレンス・リュウ氏
会見に登壇した代表執行役員社長 近藤禎夫氏(左)とCEO テレンス・リュウ氏

 TXOneは、情報セキュリティ関連製品の開発を行うトレンドマイクロと制御技術(OT)ネットワーク製品を提供するMoxaにより、工場や重要インフラなどの産業制御システムを保護するセキュリティソリューションの共同開発を目的に2019年6月に設立された。

 同社は、「アセット(資産)にフォーカスしたOTゼロトラスト」をコンセプトに掲げ、資産のライフサイクルの各ステージでOT環境の特性を理解してコントロールすることで、安全な生産活動を実現するトータルソリューションを提供する。製品には、ネットワークをセグメント化する産業向け次世代ファイアウォール「EdgeFire」や、侵入防止のための産業向け次世代IPS「EdgeIPS」「EdgeIPS Pro」などを展開している。

出典:TXOne Networks
出典:TXOne Networks

 これらの製品は、OT担当者でもIT担当者でも使いやすい設計になっているという。同社は、OTにおける基幹システムの保護を重視すると同時に、点検やエンドポイント、ネットワークセキュリティで同社の製品を提供することにより、全体のライフサイクルを保護できるとしている。

 OT環境における脆弱性の発見にも注力しており、これらの知見がTXOne Networksにフィードバックされている。また、世界中にOTシステムを模した攻撃者をおびきよせるためのハニーポットを350以上設置し、攻撃者の情報や攻撃手法を観測。さらに、脅威リサーチチームはBlack Hat、DEFCON、RSA Conferenceなどのセキュリティカンファレンスで研究成果を発表してきた。こうした実績から、同社の製品は製造業や自動車、半導体、電力、食品・飲料、医薬品など各産業の企業をはじめ、多くの企業への導入実績があるという。

 近年、サイバー攻撃はIT環境だけでなく、OT環境も標的としている。2022年2月にトレンドマイクロがサイバーセキュリティ対策の意思決定関与者900人を対象に行った「産業制御システムのサイバーセキュリティ実態調査」によると、日本の製造業の9割以上がサイバー攻撃によるOTシステムの中断を経験しており、平均被害額は約2億6906億円にも上るという。

 特に製造業は2021年に最もハッカーからの攻撃を受けた業界である一方、現在の製造業はサイバーセキュリティに対する準備ができていない状態にある。テレンス・リュウ氏は会見の中で「世界的に見ても、日本は産業界のリーダーである。自動車・電子機器・半導体・製鉄の4つの業界のリーダーがOTのサイバーセキュリティに関して、当社と連携して最も効率の良い方法をほかの企業に示すことが重要だ」と述べた。

 また、近藤禎夫氏も「経営者は、サイバーセキュリティのリスクを企業経営のリスクとして捉え、適切な対応を検討していく必要がある」とコメントしている。

 このような背景を踏まえ、TXOne Japanは本格始動に際して、「ダイレクトセールスの強化」「パートナーエコシステムの確立」「日本企業の安全なサプライチェーンの実現」を国内戦略として掲げた。

出典:TXOne Networks
出典:TXOne Networks

 ダイレクトセールスにおいては、半導体製造業や自動車関連企業、重要インフラなどの注力産業への強化を行い、顧客のサイバーセキュリティにおける課題やニーズを踏まえた製品とソリューションの提供を目指すという。また、トレンドマイクロとの連携により、パートナーエコシステムを活用した情報提供の強化とOT/産業制御システムの知見を持つパートナー企業との連携、そしてコンサルティング企業との協業を推進し、日本での協業実績を展開していくつもりだ。

 TXOneの日本法人の設立は、日本の製造業をサイバーセキュリティリスクから守り、グローバル社会における日本企業の安全なサプライチェーンの実現に貢献することだとしている。そのため、OT環境の特性にフィットした、「OTネイティブ」な製品やサイバーセキュリティの最新技術、グローバル事例の提供、研究開発活動など、顧客やパートナーのビジネス推進に貢献できる価値を発信し、OTセキュリティ分野をけん引する企業になることを目指すという。

 テレンス・リュウ氏は最後に、日本における業界のリーダーがOTサイバーセキュリティの重要性を理解することが大切だとし、「TXOneは、企業がOT分野に新しいテクノロジーを導入する際、サイバーセキュリティ侵害に関する懸念を払拭する手伝いをする。日本の産業界と共にナンバーワンを目指したい」とコメントした。

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