アドビは、「金融デジタルサービス利用実態」に関する調査結果を発表した。
これによると、新型コロナウイルス感染症の影響で外出が制限された2020~2021年にかけて、デジタルサービスの利用が銀行で46%、証券で54%と、大幅に拡大したことが分かった。また、サービスを利用する上で重視する点は、20~30代では「スマートフォンで完結できる」、50代以上では「セキュリティ」、40代以上の女性では「操作手順の少なさ」と、年代や性別で違いがあることも明らかになった。
デジタルサービスの利用頻度
サービス利用時に重視する点
今回の調査は、実施対象が1000人(銀行口座保有者500人/証券口座保有者500人)で、6月8~13日の間にインターネット調査で実施された。
デジタルサービスの利用意向
デジタルサービスの利用意向では、調査対象者の67%が銀行のサービスを利用したいと考えているのに対し、証券は80%だった。また、証券では多くのサービスが7割以上利用されているのに対し、銀行では半数近くのサービス利用率が50%未満にとどまり、中でも融資・ローンの利用率は13%と、ほかのサービスに比べ大幅に低い結果だった。
アドビは、この結果についてオンラインでの融資・ローン申請に対する心理的抵抗感が根強いことに加え、銀行における公的個人認証を用いた本人確認を必要とする契約書の取交わし業務のペーパーレス化/デジタル化への対応が途上であることも一因になっているとしている。