ユニアデックスは、群馬大学医学部附属病院の情報管理システムを構築したと発表した。2022年9月に新システムへの切り替えを完了し、運用を行っている。今回の更改では、仮想化技術を用いてシステムの可用性を高め、障害発生時の稼働継続の安定化を実現したという。運用コストの最適化とともに、サイバーセキュリティ対策の強化も行っている。
今回のシステム更改においてユニアデックスは、ハードウェアの構築/運用ベンダーとして電子カルテサーバー、部門システム仮想基盤、端末、周辺機器などのハードウェア保守/運用常駐を担当し、約2000台の端末の手配や設定も行った。
今回の更改では、2015年の更改以降の課題となっていた落雷などによる停電時のサーバー障害への迅速な対応やシステム復旧時間の短縮を実施した。新システムでは、物理サーバーで運用されていたほぼ全ての病院内システムを「VMware」で仮想統合し、vSAN(ストレージ仮想化ソフトウェア)を用いたHCI(ハイパーコンバージドインフラストラクチャー)を採用している。
電子カルテシステムのストレージは、超高速フラッシュの「Pure Storage」を採用し、従来システムと比較してレスポンスが最大13倍向上した。また、ランサムウェア攻撃時にも復旧できるストレージの機能を利用し、障害時にも迅速な電子カルテシステムの業務復旧が可能となった。
さらに、ネットワークの仮想化技術も活用し、物理サーバーの削減などによる省電力効果やハードウェアの二重化を行うことで、障害発生時なども継続稼動が可能となる。加えて、仮想化によりハードウェア機器構成の複雑化を避けることで、調達コストも削減している。