IT業界専門の調査会社Gartnerは、同社が開催するカンファレンスに合わせて掲載したブログ記事で、クラウドコンピューティング戦略を立案する際に避けるべき10の間違いを挙げた。
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同社のバイスプレジデントアナリストMarco Meinardi氏によれば、クラウドが、コンピューティングやストレージ、ネットワーキングの利用手段として主流になっていることから、企業は、戦略を実現する担当者の指針となるような、10~20ページの簡潔で分かりやすい文書を作成すべきだという。同氏は、「ビジネス戦略主導でクラウド戦略を推進し、クラウド戦略を導入する担当者が従うべき指針を定めるべきだ。クラウド戦略はほかの戦略的な取り組みと併存すべきであり、ほかの取り組みで行っていることをやり直そうとするものであってはならない」と述べている。
別の調査会社Canalysのレポートによれば、企業のクラウドコンピューティングに対する世界的な支出は、四半期当たり620億ドル(約8兆5000億円)を超える。
IT担当役員が避けるべき10の間違いの中には、クラウドコンピューティングが技術面にのみ関係する問題だという前提で臨む、というものがある。クラウド戦略の立案は、ビジネス分野の役員を最初からこの問題に巻き込む好機だ。
「ビジネス分野とIT分野の役員は、IT中心の戦略を立案して、それを各事業部門に『売り込もう』とする誤りを犯すべきではない」とMeinardi氏は言う。「クラウド戦略を立案する際には、事業部門とIT部門は対等なパートナーであるべきだ」
また企業は、困難であっても、クラウドコンピューティングプロバイダーからの撤退戦略を用意しておく必要があるという。多くのIT担当役員は、リソースを社内に戻す必要があるとは考えていないが、備えておく必要はある。
Gartnerは、クラウドコンピューティング戦略の立案にあたって避けるべき事項として、次の10項目を挙げている。
- クラウドコンピューティングは技術だけの問題ではないことを忘れる。
- 撤退戦略を持たない。
- クラウド戦略とクラウド導入計画を混同する。
- クラウドコンピューティング戦略を練るには遅すぎると考える。
- クラウド戦略は、「すべてをクラウドに移行する」ことだと考える。
- クラウド戦略を考えることは、データセンター戦略を考えることだと考える。
- トップからの指示を自分が取るべき戦略だと思い込む。
- 特定のベンダーに特化することがクラウド戦略だと考える。
- クラウド戦略の策定をアウトソーシングする。
- 「クラウドファースト」しかクラウド戦略がない。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。