PINE64は、Linuxベースのタブレット「PineTab」の次世代機として「PineTab2」を市場に投入する計画だと発表した。PineTabは、 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによる半導体不足の影響を受け、製造中断に追い込まれていた。
LinuxベースのPineTab2
提供:Pine64
数々の開発者向けキットを提供している同コミュニティによると、PineTab2では金属製の筐体を採用するとともに、2つの「スナップタブ」で簡単にバックパネルを外して修理やアップグレードのために内部へアクセスできる新設計を採用したことで、同モデルは単なる仕様の強化をはるかに超えたものになっているという。
また、eMMCを独立したプリント基板上に配するなど、設計レベルでの内部のモジュール化を推し進めている。PINE64のLukasz Erecinski氏はブログに、コンポーネントは5分で交換できると記している。
「PineTab2は初代の仕様を強化しただけというモデルではない(中略)これは物理レベルから完全に設計し直したものだ」(Erecinski氏)
また液晶ディスプレイは特殊な工具を使わずとも交換できるようになっている。なおチップセットとしては、ミッドレンジのクアッドコアプロセッサー「Cortex-A55」と、GPUとして「Mali-G52 MP2」を統合したRockchipの「RK3566」を採用する計画だ。
「RK3566プラットフォーム向けのソフトウェア開発は著しく増えてきており、Linuxはメインラインと、Linux向けボードサポートパッケージ(BSP)の双方によって、同チップセットが持つほとんどすべての機能をサポートするレベルにまで成熟している」(Erecinski氏)
PineTab2は8GBのRAMと128GBのフラッシュストレージを搭載したモデルと、4GBのRAMと64GBのフラッシュストレージを搭載したモデルを提供するという。「中国の旧正月(2023年1月22日)後のどこかの時点」での出荷を目指しているという。
このタブレットは、2基のUSB-Cポートを装備しており、そのうちの1基はUSB 3.0の転送速度を実現し、もう1基は充電用だが、充電に使用していないときにはUSB-2.0の転送速度での使用が可能だ。また、ビデオ出力用のmicro HDMIポートと、2メガピクセルの前面カメラ、5メガピクセルの背面カメラも装備されている。さらに、micro SDカード用スロットと、オーディオジャックのポートも備わっている。
提供:Pine
10.1インチのディスプレイや、Wi-FiやBluetoothのモジュールといった、いくつかの詳細はまだ決まっていない。現時点でのプロトタイプは6000mAhのバッテリーを搭載しているが、これについては見直されるかもしれない。Erecinski氏は、開発フェーズを通じてあらゆる仕様を見直す可能性があると予告している。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。